内容説明
林幹彦は家族旅行で日光中禅寺湖に来ていた。10年前にある女と泊まった同じホテルである。その女、尾杉紀美子とは大学のクラブで知り合い、結婚を決めていたが、彼女の父親が旧家にとって二世である林は純血ではないという理由で反対だった。また林のほうも伯父の家の相続問題を抱えていた。絶望した二人は死に場所を求めて中禅寺湖に来たが、死にきれなかった。―今、その紀美子が林の前にいた。彼女は毎年このホテルを訪れているという。思い出話に篭められた巧妙な殺意…。表題作他五編を収録した傑作集。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年埼玉県熊谷市生まれ。青山学院大学卒。ホテル勤務の後、『高層の死角』で江戸川乱歩賞を受賞、73年には『腐蝕の構造』で日本推理作家協会賞を受賞
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