内容説明
異端の学僧か、近代仏教の源泉か、―江戸の中期、律僧普寂は富永仲基に代表される科学的合理主義といかに対峙したか。仏教堕落史観や政治思想中心主義を超えて、近世から近代に連なる新たな思想史の構築を目指す俊英の力作論考。
目次
第1章 近世思想史における仏教の意義
第2章 僧侶普寂―その生涯(一七〇七‐一七八一)
第3章 聖俗の反転―出定如来・富永仲基
第4章 現世の解体―須弥山説論争と普寂
第5章 教判を生きる―普寂の大乗仏説論
第6章 蚕の声―律僧の禁絹論
第7章 非布非絹―絹衣論の展開
第8章 不退の浄土―普寂の大乗論
第9章 檀林の定法―近世浄土教団における戒律観の変遷
著者等紹介
西村玲[ニシムラリョウ]
1972年、東京に生まれる。東北大学文学部史学科日本思想史専攻卒業。同大学院文学研究科日本思想史専攻、博士課程後期修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(SPD、2005~2008年)。プリンストン大学客員研究員(2005~2006年)を経て、現在、財団法人東方研究会研究員。専攻は日本思想史、日本仏教思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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