出版社内容情報
日本人の死亡原因の第1位を占めるがん(三人に一人はがんで死ぬ)。治療法はさまざまに 発達したものの、万人に同じ効果があるとは限らない。治癒する可能性も増したが、受容の仕方も難しくなったがんとどう向きあうべきか。現場経験豊富な精神看護学の大家が、優しく深い言葉で綴り不安が軽くなる。患者、家族、看護者へ贈る こころの処方箋。
ひとりで悩まないで・・・
医療者はあなたの心配ごとの相談者です
診断結果を聞く前に
いっしょに結果を聞いてくれる人が必要です
医師に積極的に質問してください
告知のあとに生じる不安
家族にとってのがん告知
治療法を選択する
治療がもたらす影響
揺れ動くこころと病院めぐり
治療を受ける決意をするために
入院を前にして
入院生活での役割
社会生活から一時的に離れるということ
医療者に援助を求める
入院生活のこと
入院による気持ちの落ち込み
同じ病室の人との生活
手術を受けるということ
回復する過程で起こること
歩けるようになるまで
退院後の生活のために
手術後の自分を受け入れる
価値観の転換と、新しい気持ちでの再出発
薬や放射能の副作用の心配
再発の不安
身体的な障害を抱えて生きる
家庭で療養するということ
長期にわたる療養のなかで
しなやかな心で生きる
本人に病気のことを伏せているとき
私たちは必ず死を迎える、ということ・・・
本書を手にとってくださった方へ
ひとりで悩まないで・・・
最近の医学の進歩によって、がんは昔ほど恐れられる病気ではなくなってきました。
早期に発見されれば、命に別状がないばかりでなく、体にそれほど大きな影響を及ぼさない治療方法も、たくさん開発されてきています。
けれども、体に異常を感じ、もしかすると「がんではないか」と疑って医師の診察を受けたときや、がん検診などで異常を発見されたときには、さまざまな疑念が浮かんできたり、死の不安を感じたり、絶望感が胸をよぎったりすることがあるかもしれません。
また、実際にがんと診断され、ひととおりの治療を終えて退院し、社会に復帰するまでには、不安や苦悩が生じることもありましょう。 ・・・・
さらに、転移や再発などは、現在もなお未解決のまま残されている課題ですし、治療にともなう身体機能の障害や強い副作用も、依然として深刻な問題です。ときには有効な治療の手だてもなく死を迎える場合もあることに変わりはありません。
気がかりなことや心配ごとは、ひとりで悩んでいると、どんどんふくらんでいくもので・・・・
目次
ひとりで悩まないで…
医療者はあなたの心配ごとの相談者です
診断結果を聞く前に
いっしょに結果を聞いてくれる人が必要です
医師に積極的に質問してください
告知のあとに生じる不安
家族にとってのがん告知
治療法を選択する
治療がもたらす影響
揺れ動くこころと病院めぐり〔ほか〕