出版社内容情報
ブラジルの生んだ世界的作曲家の全貌を初めて紹介する。直弟子のピアニストが、作品論や証言、思い出を交え、その魅力を余すところなく描き出す。孫弟子のピアニスト、鈴木裕子によるCDが、楽しく美しいブラジル・クラッシックの世界へ誘います。
序文
I ヴィラロボスの生涯
Ⅱ 白いインディオの想い出
Ⅲ さまざまな証言
Ⅳ ヴィラロボスと多作性について
Ⅴ 作品と演奏―ピアノ作品・演奏解釈
Ⅵ ヴィラロボス略年譜
Ⅶ ブラジルの音楽について
エピローグ
主要作品目録
参考文献
訳者あとがき
CD収録作品リスト
序 文
一九八七年は、 ヴィラロボス生誕一〇〇年の年でした。 この記念の年を祝うためにフランスで設けられた委員会を、 アンナ・ステラ・シックは、 並々ならぬエネルギーで活気づけてくれました。 私はこの委員会の副委員長を務めています。 委員長はフランスの作曲家マルセル・ランドウスキ氏で、 彼は、 リオデジャネイロの湾を見下ろすコルコヴァドの丘のキリスト像を彫った彫刻家、 ポール・ランドウスキ氏の息子です。 私が、 アンナ・ステラ・シックから、 本書の序文を書くように依頼されたのは、 光栄なことです。 私にとっては、 責務というより友情の証あかしとして、 喜んで引き受けました。
ヴィラロボスと親しく接し、 彼の作品を演奏し、 直接指導も受けた芸術家の証言は、 この作曲家を思い出させてくれるだけでなく、 理解を深めるのに大いに寄与することは確実です。 アンナ・ステラ・シックは戦争直後のパリに暮らし、 マルグリット・ロン女史 (フランスの名ピアニストでヴィラロボスの大変親しい友人) のもとで学びました。 この時期、 作曲家ヴィラロボスはヨーロッパへの道を再び見出し、 新たにパリや他のヨーロッパの都市へも、 しばしば赴くようになりまし興味深くヴァラエティに富んだ記念プログラムの準備を認めさせ、 それをすでに一九八七年はじめから実現していくことは決してできなかったでしょう。
演奏家であり、 行動家であり、 この回想録の執筆者でもあるアンナ・ステラ・シックは、 賛嘆と尊敬のみならず、 ヴィラロボスをブラジルの巨匠とみなすすべての人々が感謝すべき人物なのです。
一九八七年七月 パリにて
ルイス・エイトール・コレーア・デ・アゼヴェード
内容説明
ブラジルが生んだ世界的作曲家の全貌をはじめて日本に紹介。直弟子のピアニストが、作品論やさまざまな証言などを交え、その魅力を余すところなく描き出す。ブラジル・クラシックの独特の美しさ、楽しさを伝える鈴木裕子によるピアノ演奏CDを付す。
目次
1 ヴィラ=ロボスの生涯
2 白いインディオの想い出
3 さまざまな証言
4 ヴィラ=ロボスと多作性について
5 作品と演奏
6 ヴィラ=ロボス略年譜
7 ブラジルの音楽について
著者等紹介
シック,アンナ・ステラ[シック,アンナステラ][Schic,Anna Stella]
ブラジルに生まれ育ち、長年パリに在住。夫はフランス人作曲家、ミシェル・フィリポ。ヴィラ=ロボス作品の初演を南米・北米ほか世界各地で行ない、フランスではヴィラ=ロボスの指揮のもとで初演も行なった。各国からの受賞に、フランスより芸術・文学賞牌(カヴァレイロ位)、ブラジル政府よりイピランガ勲章、ブラジル批評家協会特別賞など。また世界初のヴィラ=ロボス全曲集のCD録音により、ブラジル・レコード製作者・批評家協会より年間最高録音作品賞を授与された
鈴木裕子[スズキユウコ]
1967年東京生まれ。90年、国立音楽大学ピアノ科卒業。柳川守に師事。米国ハートフォード大学院ハート音楽院にてルイス・デ・モウラ・カストロに師事、ブラジル・クラシック音楽の薫陶を受ける。92年、修士課程修了。93年、アーティスト・ディプロマ取得。その後パリでヴィラ=ロボスの直弟子、アンナ・ステラ・シックに学ぶ。96年、ソルボンヌ大学院修士課程修了(音楽学専攻)。パリ在住時より日本、アメリカ、ヨーロッパ各地でブラジルのピアノ作品を取り入れたコンサートを行なう。2000年にはブラジル発見500年記念リサイタルを、パリ・ブラジル大使館、東京文化会館小ホール、リオデジャネイロ・旧大統領官邸および国立美術館ホールにて開催。またナポリのアマルフィ・コースト音楽祭主催ブラジル音楽祝賀コンサートにて演奏。2002年、プラハ、東京、バルセロナ、中国でのソロ活動ほか、ブラジルのソプラノ歌手、イヴォネーチ・リゴ=ミュラーとスペイン・ベサルー音楽祭にて共演。同年9月、ブラジル政府よりその文化的功績を讃えてリオ・ブランコ勲章を授与される
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