出版社内容情報
言葉は命である!幸福、癒し、老いの意味から哲学と笑いのツボまで、疾駆する思考が世の常識を徹底的に覆す。雑誌連載の「幸福はどこにあるのか‐わが幸福論-」を中心に、ときにギリシャ哲学、ときに時事問題にも及ぶ論考14本。ひさびさの哲学エッセイ集。
Ⅰ
走りながら考える
善悪を教えるよりも
生命操作の時代
プラトン、ロゴスの果て
哲学と笑い
Ⅱ
考えるとはどうういうことか
生きているとはどういうことか
Ⅲ
幸福はどこにあるのか
どうすれば癒されるのか
孤独は苦しいものなのか
本当の自分はどこにいるのか
死ぬのは不幸なことなのか
他者の死はなぜ悲しいか
老いは個人の生を超え
内容説明
幸福、癒し、老いの意味から哲学と笑いのツボまで、疾駆する思考が世の常識を徹底的に覆す。
目次
走りながら考える
善悪を教えるよりも
生命操作の時代
プラトン、ロゴスの果て
哲学と笑い
考えるとはどういうことか
生きているとはどういうことか
幸福はどこにあるのか
どうすれば癒されるのか
孤独は苦しいものなのか
本当の自分はどこにいるのか
死ぬのは不幸なことなのか
他者の死はなぜ悲しいか
老いは個人の生を超え
著者等紹介
池田晶子[イケダアキコ]
1960年生まれ。慶応大学文学部哲学科卒業。専門用語による「哲学」をめぐる論ではなく、日常の言葉で哲学行為を実践し多くの読者を得る
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gotoran
51
哲学的問いかけに対し、導入として巷にある時事問題から、考えに考えて思索を巡らしていく。“私とは何なのか”、“人生の意味とは”・・答えのない問いに対して考え、考え、更に考え、その過程を読み手に示す。テーマは『あたりまえなことばかり』:「幸福」「癒し」「自分とは」「死」「老い」他、これでもかこれでもかと言わんばかりに、そして主体性を発揮して積極的に考えることが如何に大切か、我々は如何に何も知らないか、即ち「無知の知」を鋭い感性で創出された厳格な言葉で知らしめる。気付き、驚きで始まる考えると云う行為の教示。2015/12/19
団塊シニア
45
人生、幸福、死についての本質を追及しようとする真摯な姿勢が文章から伝わってきます、あたりまえのことであるが内容が深い。2015/01/29
里愛乍
38
実をいうと池田晶子氏の著作において、初読時に一番最初に「そうか!」と分かった感を体験させてくれたのは本書である。そしてそれはおそらくⅡ章のせいだと思う。思考として自分の中でもやもやしていたものをもっとも理解できる文字で表現してくれていたからである。所謂自分にとって「思考の物質化」だったといってもいい。ただし再読を繰り返すごとに分からなくなるのは必至。「その当たり前のことが、私にとっては不思議でたまらないんです」彼女の存在は〝生〟は確かに今も彼女の著作に、私たちの思考に〝存在〟している。2017/05/19
ももたろう
27
無知の知、「私たちは何も分かっていないという自覚」の重要性が強調されていた。この世界の絶対的な謎や不思議に対する謙虚な姿勢こそ、考える事の出発点となると言う。宗教はその謎に対する知性の放棄、と言っているのは極論だけど頷ける部分もある。最も興味深かったのは、p99の言葉。「きちんと考えていると悩まなくなる。考えることが自分から始まって宇宙にまで広がると、その開放感や自由感はすごいものです。なぜかというと、非常に大きなところから自分を視る視点を得るからです。」この自覚的に生きることは、まさに仏教で言う→2016/07/25
Euki
23
積んどいた本。「死体は、死ではない。」あたりまえなんですけど、言われてみて、わかることの多いこと、多いこと。つくづく思いますけれど、頭の中の言葉になっていない観念を言葉として理解して、それを他者に伝えること、それも文字で、というのは本当に難しことですね、あたりまえのことだけど。2016/03/13