出版社内容情報
1820年頃、ヨーロッパで「仏教」が成立する!?
「仏教」は、神なき死の宗教!?
ニーチェ・ヘーゲル・ショーペンハウアーら、近代ヨーロッパ思想の形成に大きな影響を与えた異文化の誤解と受容の歴史。
日本語版への序文
序章 仏教への誤解
亀の体毛は硬いか軟らかいか/ブッダという悪夢/希望から恐怖へ/「出会い」という虚構/ことばと物の誕生/頑迷なる無理解/言語の学習と古文書の解読/虚無というひとすじの糸/三つのニヒリズム
第Ⅰ部 信仰の誕生(1784年~1831年)
第一章 ブッダとは何か
「原始の世界」とは/水曜日のブッダ/フィヨルドの奥の坊主/ブッダ=エチオピア人説/ ひそやかな虚無
第二章 ブッダの正体
遠のいた惑星/実存した人物の生涯/その数は?/亡霊のスケッチ
第三章 浮上する信仰
新たなる問題/バラモン教よりも古い仏教/二人のブッダ/言語の解明/虚無の信仰のはじまり
第四章 虚無としての神
足を口にくわえて/ペテン師/無という純粋存在/軽蔑から承認へ
第Ⅱ部 脅威(1832年~1863年)
第五章 虚無への恐怖
慎重な虚無/おぞましき虚無/低劣な虚無/反宗教としての仏教
第六章 仏教徒ショウペンハウアー
黄金に輝く仏像/語りうるものの限度/最後のことば/凍りつくような冷たい風
第七章 人種差別の神話
画一化と滅亡/仏教という例外/ゴビノ
内容説明
1820年頃、ヨーロッパで「仏教」が成立する。研究が進展し、経典の翻訳がすすめられたその時期に、恐怖はかえって増大した。異文化誤解の歴史の謎に迫るフランスのベストセラー。
目次
仏教への誤解
第1部 信仰の誕生(一七八四年~一八三一年)(ブッダとは何か;ブッダの正体;浮上する信仰;虚無としての神)
第2部 脅威(一八三二年~一八六三年)(虚無への恐怖;仏教徒ショーペンハウアー;人種差別の神話;人類の終末)
第3部 衰退(一八六四年~一八九三年)(仏教的衰弱;ペシミズムの時代)
悲劇の予言
著者等紹介
ドロワ,ロジェ=ポル[ドロワ,ロジェポル][Droit,Roger‐Pol]
1949年、パリに生まれる。ソルボンヌ大学で哲学博士号取得。リセの哲学教授を経て、1989年よりフランス国立科学センター研究員、また72年からはル・モンド紙の書評担当を務める
島田裕巳[シマダヒロミ]
1953年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻、宗教学。元日本女子大学教授
田桐正彦[タギリマサヒコ]
1953年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻、中世フランス文学。1985年から翌年までフランス政府給費留学生としてパリ第三大学留学。現在、女子美術大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さえきかずひこ
袖崎いたる
のうみそしる
takao
okaka