内容説明
1952年1月、札幌市警白鳥警部が何者かに射殺された。物的証拠は警部の体内から摘出された1発の弾丸。検察は実行犯たちが射撃訓練をしたと想定し、2発の弾丸を幌見峠から「発見」、証拠に加えた。2発の弾丸は果たして幌見峠に長時間埋まっていたものなのか。3発の弾丸は果たして同じ拳銃から発射されたものか。内外の科学者たちの地道な実験によって明らかにされた弾丸の真実とは…?一審鑑定人長崎誠三の遺稿をまとめた本書は、20年に及ぶ科学者たちの研究とたたかいの記録である。
目次
白鳥事件のあらまし(はじめに―事件との出会い;事件の発生;一審判決まで ほか)
資料1(証拠弾丸に関する鑑定書・報告書一覧;銃鑑第三五七号(岩井鑑定書)
銃鑑第七五九号(高塚鑑定書) ほか)
資料2(白鳥事件(弾丸を中心とした)年表
拳銃と弾丸
長崎鑑定書 ほか)
著者等紹介
長崎誠三[ナガサキセイゾウ]
1923年3月東京に生まれる。1944年9月東京帝国大学第二工学部冶金学科卒業。東大応用物理、東工大物理を経て、1950年~57年東北大学金属材料研究所、1952年助教授。1957年9月退官、理学電機株式会社を経て、1963年12月株式会社アグネ技術センターを設立。1999年12月死去。東北大学在任中に白鳥事件の弾丸鑑定、以後川嶋事件、大須事件、広田事件等の弾丸鑑定を行う。専門は金属物理
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