出版社内容情報
本書は「イマジナスィオン編」「ルセットゥ編」「テクニック編」の3部構成です。「イマジナスィオン編」では、弓田亨がこの日本で多様性・多重性あるフランス菓子を作りあげるために築いてきた様々な理論、技術、精神性について語っています。修業先で出会った生涯の友ドゥニ・リュッフェルのこと、パティスリーオープンしてからのことなど、弓田亨の菓子人生の全てが綴られています。「ルセットゥ編」では、さらにイマジナスィオンの世界への理解を深めるために、実際にルセットゥによって作り方のポイント、技術的な考え方を解説。シブーストゥやミル・フイユ、オペラ、エクレールといった、誰もが知っている伝統的なフランス菓子から、年に一度の新作発表会「イル・プルーの1年」で発表された弓田亨のオリジナル菓子まで含む計22品を紹介。「テクニック編」では、本書に登場する基本的な生地やクリーム、混ぜ方などを写真やイラストで説明しています。
目次
私を支えてくれた多くの方々に向けて・・・3
imagination編・・・7
1er chapitre フランス菓子とは何か・・・8
2e chapitre フランスと日本の違い・・・24
3e chapitre 私がフランス的なものを追い求めてきた流れ・・・40
4e chapitre 自分の中に“フランス的な領域”を創造する為に・・・80
5e chapitre フランス的なお菓子を作る為の技術的な考え方・・・90
6e chapitre さらなる高みへ・・・100
recettes編・・・113
1er chapitre フランスで出会ったフランス菓子の多様性と多重性・・・114
シブーストゥ・ペイザンヌ・・・114
ビュッシュロン・・・122
2e chapitre フランス菓子の古典に学んだフランス菓子の多様性・・・・・・128
オペラ・キャフェ・・・128
ミル・フイユ・・・136
サランボ・・・142,148
フィナンスィエ・・・152
テュイル・オ・ザマンドゥ・・・156
ガトー・ウイークエンドゥ・・・162
3e chapitre コートゥ=ドールの大地が育んだ豊穣の極み、フランスの土の多様性と多重性・・・168
ババロアズ・オ・フランボワーズ・・・168
ディジョネーズ・・・178
4e chapitre 素材の豊穣さに支えられた力強い味わいをもつ地方菓子・・・184
ガトー・バスク・・・184
キャヌレ・ドゥ・ボルドー・・・190
5e chapitre ショコラの多様性と広がる精神性 フランス人はショコラが大好き・・・194
ル・マルガッシュ・・・194
私なりのザッハトルテ・・・200
6e chapitre パティスィエは何故かマカロンにこだわる・・・206
マカロン・リス
ショコラ・・・206,208キャフェ・・・206,210
マカロン・ドゥ・ナンスィ・・・212
7e chapitre 今もフランス家庭で作られる、洗練さなど必要されない素朴なお菓子・・・216
ガトー・ショコラ・クラシック・・・216
タルトゥ・オ・ポンム・・・220
クラフティ・オ・ミルティーユ・・・226
・・232
8e chapitre 心の中にあるフランス的な領域を創造するための訓練として・・・238
ゴッホのようなバナナ・・・238
ヘーゼルナッツのロールケーキ・・・246
technique編・・・253
お菓子を作る前に・・・254
お菓子作りに共通する事前の準備・・・256
混ぜ方と泡立て方について・・258
基本のパートゥ・・・264(パートゥ・フイユテ264/パートゥ・シュクレ268/ビスキュイ・オ・ザマンドゥ272/パータ・シュー274)
基本のクレーム・・・276(基本のクレーム・オ・ブール276/クレーム・ダマンドゥ278/クレーム・パティシエール280/ムラング・イタリエンヌ282)
器具・・・286
朗らかなお菓子作りを可能にする秀逸な材料・・・292
フランス菓子作りでよく登場するフランス語・・・296
イル・プルー・シュル・ラ・セーヌのご案内・・・298
essai
ヌーヴェル・パティスリーのお菓子①・・・127
ヌーヴェル・パティスリーのお菓子②・・・135
パティスリー・ミエのオーブンと日本の一般的なオーブンについて①・・・151
パティスリー・ミエのオーブンと日本の一般的なオーブンについて②・・・161
製菓材料の旅①・・・177
製菓材料の旅②・・・183
製菓材料の旅③・・・189
ドゥニ・リュッフェルに学んだこと①・・・225
ドゥニ・リュッフェルに学んだこと②・・・237
日本の食の領域全体の異常さ①・・・245
日本の食の領域全体の異常さ②・・・252
23年前に著した狂気にも勝る熱情は、今、最終の章を綴ろうとしています。
かつては私をうちのめし、押し倒し、足蹴にした、
私が思う“フランス的”な価値観に与えられた味わいの世界は、ようやく私の存在の中に根づき、私の息遣いとともに歩みを始めました。
少なくとも、この日本では、今まで誰もが知らなかった、そしてこれからも誰も到達しえない味わいの空間に、私はいます。
お菓子の中に何回も躓きながら真実のみを求めてきた道程でした。偽りのみのこの日本の食の領域に、この本からの、ささやかな光が、ささやかな真実の息吹を育むことがあれば、望外の幸いです。
私のパティスィエとしての人生の中に、
私に未知の価値観への息吹を与え続けてくれたドゥニ・リュッフェルに、人生のさまざまな困難の局面に兄のごとく私を支えてくれた鍬本佳津弘氏に、雑多な煩わしさを払いのけ、私のフランス的な味わいの領域への彷徨を可能にしてくれた教室主任・椎名眞知子に、心からの感謝とともにこの本を捧げます。
日本でのフランス菓子黎明期、今のように簡単にフランスに行くことが難しかった時代、パリで本場のフランス菓子の中に多様性と多重性を見出し、素材の違いに驚いた弓田亨は、帰国後、その菓子作りの考え方をまとめた一冊の本「パティスリー・フランセーズそのイマジナスィオン1」を自費出版しました。これが「パティスリー・フランセーズそのイマジナスィオン」。現在日本各地で活躍するパティシエの中には、この弓田のイマジナスィオンの洗礼を受けている人たちも少なくありません。「配合が全て」と言われた菓子業界で「菓子作りに必要なのは精神性」と言い切り、衝撃を与えました。それから22年。自分を店を持ち、試作を繰り返す日々の中で確立し、進化した弓田亨のイマジナスィオン=菓子作り理論とルセットゥ、弓田亨の菓子作り人生の全てが詰まった、まさに「final(フィナル)」と呼ぶに相応しいファン待望の完結編が出来上がりました。
内容説明
シリーズ最終章。前作から22年を経て、自らのパティスィエ人生の中でさらに完成された理論とそれに基づく代表的なフランス菓子の少量のルセットゥ(レシピ)を、詳細な工程写真で解説。
目次
Imagination編(フランス菓子とは何か;フランスと日本の違い;私がフランス的なものを追い求めてきた流れ;自分の心の中に“フランス的な領域”を創造する為に;フランス的なお菓子を作る為の技術的な考え方;さらなる高みへ)
Recette編(フランスで出会ったフランス菓子の多様性と多重性;フランス菓子の古典に学んだフランス菓子の多様性;コートゥ=ドールの大地が育んだ豊穣の極み、フランスの土の多様性と多重性;素材の豊穣さに支えられた力強い味わいを持つ地方菓子;ショコラの多様性と広がる精神性 フランス人はショコラが大好き;パティスィエは何故かマカロンにこだわる;今もフランス家庭で作られる洗練さなど必要とされない素朴なお菓子;心の中にフランス的な領域を創造する為の訓練として)
Technique編
著者等紹介
弓田亨[ユミタトオル]
1947年、福島県会津若松市生まれ。1970年、大学卒業後に熊本の菓子屋「反後屋」に入り、東京「ブールミッシュ」工場長を経て1978年に渡仏。パリ7区にある「パティスリー・ミエ」で研修し、ドゥニ・リュッフェル氏(ミエのオーナー・シェフ)と出会う。翌年帰国し、青山「フランセ」、自由が丘「フレンチ・パウンド・ハウス」工場長を務める。1983年再び渡仏。「パティスリー・ミエ」で半年研修。1986年「ラ・パティスリー イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ」を代々木上原に開店。1994年に代官山へ移転。自らの心の中から生まれた感情や記憶をお菓子として表現し続け、現在もフランス菓子教室の運営、全国でのプロ向け技術講習会、海外での素材捜しなどに精力的に取り組み、“imagination”豊かな、孤高の味わいのフランス菓子を追求している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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