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内容説明
棒ってなに?数字で文学?クノー文学を開く鍵―知の巨人がのこした足跡の書、待望・無謀の翻訳なる。
目次
前置きの部
序文集
ある戦線のための読書案内
オマージュ集
書記法さまざま
潜在文学
註記
著者等紹介
クノー,レーモン[クノー,レーモン][Queneau,Raymond]
1903年北フランスの港町ル・アーヴルに生まれる。1920年パリ大学に入学、哲学を専攻。1924年シュルレアリスム運動に参加するが、1929年ブルトンとの対立から脱退。その間モロッコにおけるリフ戦争に従軍した。1931年から33年まで反スターリンのコミュニスト・グループに所属。同じころ国立図書館で「文学的狂人」を研究。1950年代半ばにアルフレッド・ジャリ同好の士からなる「コレージュ・ド・パタフィジック」の主要メンバーになり、1960年その内部組織として数学者フランソワ・ル・リオネとともに「ウリポ(潜在文学工房)」を設立、数学的な制約を想像力のバネにするという逆説的な発想によって知的で遊戯的な作品の構築を目論んだ。1976年没
宮川明子[ミヤガワアキコ]
1940年、ソウル生まれ。明治学院大学名誉教授。専攻はフランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
長谷川透
18
レーモン・クノーのエッセイ集。自身の作品の解説や作成意図なども書かれているので、レーモン・クノーを読み解く助けになるだろうと本書を手に取ったが、クノーの術中のさらに深みへと嵌まるという結果に終わる。この男、どこまで本気で、どこまでふざけているのか、さっぱりわからない。馬鹿なのか、天才なのかもさっぱりわからない。おそらく、天才を装う馬鹿を演じている大天才なのだと思う。しかし、こうまとめてみたところでクノーの輪郭を掴むことは容易ではなく、どこまで彼の作品を読み込もうと不可能だろうとも思えてくる。2012/09/09
兎乃
6
(最高の敬意と愛をこめて...)ホント、クノーってお馬鹿!大好きです。再読します!2012/08/09
まろすけ
5
雑文集。知的に脱臼するクノー節を小説とは違うかたちで堪能させてもらえました。しかし、言語・記号に対するニッチな(いや潜在的?)探求と愛情には多少の理解が追いつくものの、数はちょっと・・一気に置き去りにされました(笑)。『リズムという考え方、小説をある種の詩にする意図で~小説を書きました。言葉で韻を踏むように、状況や人物で韻を踏むこともできる』こういう形式へのこだわり、僕はあんまり興味ないはずなのになぜかクノーさんの作品には惹かれる不思議。だからたぶんなにがしかの文学的装置効果がちゃんと出てるんだろうなあ。2019/09/01
eirianda
2
仏語の一塊になる文字の羅列を見てDictée(聞取って書く練習)で苦しんだのを思い出した。話し言葉と教科書の正しい会話文との違い(俗語含む!)に面食らった。今では文章よりの言葉で話すようになった、とあとがきにはあるが、私には別物に思えた(視覚に訴える漢字圏の私には聴覚から覚えるのが困難だった!涙)。この本の『1937年の論考』をあの頃読んでいたらな……(この訳本が存在していないので無理か)。しかし、なんか笑える。クノーのお茶目さがあらゆるエッセーに滲み出ている。訳わからんウリポの単語のチョイスさえ笑える。2014/01/08
monado
1
おそろしく賢い人が、ものすごく変なことを考えているという内容。フィネガンズ・ウェイクのパロディなどもあり、楽しい。2013/03/10