目次
特集 ネゴシエーションとしてのアート(共同討議 文化のネゴシエーションと日本―トランスメディア、トランスカルチャー、トランスネーション)
両面通行―グローバル化時代の国際展と日本の現代美術の受容
敵対と関係性の美学
生政治時代の芸術―芸術作品からアート・ドキュメンテーションへ
民族誌家としてのアーティスト
理性の眠りは怪物を生みだすか?―インカ・ショニバレの船と布地
「日常」写真の静かな抵抗―下津隆之「沖縄島」を読む
「美」の共同体を越えて―岡崎京子『ヘルタースケルター』論
接続された身体のメランコリー―ドン・デリーロの『ボディ・アーティスト』におけるメディアの存在論
労働科学者としてのエミール・クレペリン―「疲労との闘争」に見るドイツ産業社会の一断面〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ecriture
3
高村さんの論文がお目当て。デリーロ読みが査読していれば防げた細かいミスがちらほらあるのが勿体無いが、全体としてとても独創的で興味深く読んだ。というか、先を越されたと悔しく思うところがいくつもあった(笑)この内容だとジジェクからの引用は『仮想化しきれない残余』もありそうだけど、彼の良いところはもっと他のところにあって、それを考慮すると結論部は若干変わってくるのかなとも感じる。何にせよ良い刺激を受けたし、これまでのThe Body Artist論で最も優れたものの一つだと思います。2011/07/21
せらむ
0
ビショップ「敵対と関係性の美学」とか松井さんの論文とか。関係性の美学を飛ばしてるけど、これを読むと多少その内容もわかる。平たく言うとリクイット(関係性の美学を体現)の有名なカレーの作品は、もともと共通項がある人同士がつながって盛り上がってただけじゃないでしょうか?という問題提起から敵対という考え方をひいて、「民主的な社会とは〜新たな政治的未開拓地が絶え間なく描き出され、議論の俎上にのせられるような社会」で、敵対を描き出すような作品、例えばシエラやヒルシュホルンがそれにあたるという。2017/08/25
工藤 杳
0
ビショップ「敵対と関係性の美学」(ブリオーのいう関係性は内輪の(ギャラリーの中だけの)関係性を言う、しかし敵対も公共圏存在の条件として存在するはずである←ラクラウ/ムフ『ポストマルクス』、関係性のアートよりも敵対のアートの方が誠実だ)、グロイス「生政治時代の芸術」(2002、アートドキュメンテイションとはなにか。) 2016/10/24
hosakanorihisa
0
「敵対と関係性の美学」が目当てだったが、写真家として「「メディウム」の行方」はデジタル/銀塩論として読めたし、「文化のネゴシエーションと日本」は裏テーマの越境がデジタル/写真論として読んだ。面白すぎる。2012/04/04