新編 燈火節

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  • サイズ B6判/ページ数 300p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784901477383
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

ひとり残された晩年に新しい生活を模索し、生きながらえる者の境地、日々のあれこれをいつくしむ心情をえがいた名エッセイ集。

目次

燈火節(或る國のこよみ;季節の變るごとに;燈火節;三本の棗;濱田山の話 ほか)
燈火節の周邊(黒猫;五月と六月;鳥の愛;うちのお稻荷さん;うまれた家 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

28
先に読んだ梨木さんエッセイ『不思議な羅針盤』で紹介の本書。アイルランド文学翻訳家であり、歌人の片山廣子(松村みね子)箸の生涯唯一の随筆集。筆名松村として翻訳を手掛けたアイルランド文学についてと、歌人[片山]として自然の移ろいを心に留めながら、明治・大正・昭和の激動の時代を過ごした生活の折々の思い出(身の回りの出来事、感じたこと、思ったこと)が綴られる。時にユーモアも交え淑やかで上品に綴られた簡潔ではあるが、凛とした美しい言葉の数々に魅了された。夫・子供たちの死や敗戦を乗り越えた歌人の静謐かつ超然と↓2014/01/12

coco.

11
アイルランド文学を翻訳した文筆家・片山廣子氏の随筆集。著者は西洋風女学校育ちで、林檎を愛し、詩人・イェイツが愛読書。題は〔キャンドルマス〕の意。聖母マリアがガブリエルから受胎告知を受けた2月2日を祝う日。書かれた時期が戦後なので、哀愁を帯びた所感が文面から節々に滲み、侘しさが残る。良家の子女は、学校以外に古典講義、短歌も習う事が多い。文法ばかり教える従来の古典教育より、文化背景や現代に共通する所を探るなど、解釈を深める方が、興味対象も自ずから脈々と広げていけるだろう。在りし日の理想の教育像を見た気がした。2014/01/09

更紗

8
熊井明子さんの「私の部屋のポプリ」で紹介されており、興味を惹かれて購入しました。 美しく品がある文章で、じっくりゆっくり噛み締めるように読んでいきたい本です。 2013/02/01

シロ

5
再読。元気に長生き推奨も、悲しみにくれて投げやりに生きることも、なんか違うと思っていた、そんな自分にとって片山廣子の言葉はどれほど新鮮だったか。梨木香歩の「熱狂」の行方一にあるように、捨て鉢なのではない。この本が再版された事を本当に嬉しく思う。彼女の言葉にたどりつけてよかった。食べ物を美味しそうに頂いている描写は何だか少女のようで、伝説を語る文章はとても読みやすく、本当に素敵な方だなと思いました。大好きです。2023/12/24

きくまる

5
短いエッセイで成る一冊なのですが、思春期のお嬢様かと思うほどの感受性とこだわりすぎない達観というか恬淡というか、各章のしめくくりが浅すぎず深すぎずというが微妙なバランスで、とても気持ちが透き通るような感覚を覚える本です。70歳くらいに書かれたのでしょうか。信じられません。行動範囲自体は決して広くないのに、感受性と知識がこんなに豊かな世界を作るんだなあ。こういう風に歳をとれたらとあこがれてしまいました。2011/06/23

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