内容説明
「オランダ病」から奇跡的回復を遂げ、「EUの優等生」と呼ばれる国。安楽死や麻薬、売春を合法化するなど、各国が驚く政策を打ち出す国。これらの改革は、建国以来の「寛容」と「合理主義」の精神に基づいている。この二つの精神が、生活しやすい国をどうつくり、多文化社会を一つの国家としていかにうまく機能させてきたか、そして、いまそれがどう揺らいでいるのか―。オランダがいま抱える問題は、国際情勢の新たな展開によってもたらされたものである。その意味で、オランダの改革や模索は、日本を含めた国際社会が抱えている問題を解く試みであるといえるだろう。
目次
第1章 究極の合理主義者のとらわれない改革(世界ではじめて安楽死を合法化;麻薬と売春―合法化の理由)
第2章 国土の建設―自由と独立を求めて(国家の成立とオランダの思想と技術;多様な価値を認める社会へ ほか)
第3章 生活しやすくつくられた社会構造(生活しやすい国;協調性とコミュニケーション)
第4章 棲み分け社会オランダ(変わりつつあるオランダ;団体ごとの番組制作による国営放送 ほか)
第5章 オランダ的「寛容性」の課題(統合政策の行きづまり;混乱とその諸要因 ほか)
著者等紹介
太田和敬[オオタカズユキ]
1948年生まれ。東京大学大学院教育学研究科満期退学・教育学博士。教育行政学・教育制度論専攻。文教大学人間科学部教授。教育制度が社会の統合や分化にどのような役割をはたすのか、個人の選択を保障する制度はいかなるものかを主要テーマとしている
見原礼子[ミハラレイコ]
1978年生まれ。一橋大学大学院博士後期課程在籍。日本学術振興会特別研究員。専門はヨーロッパの多文化社会における比較教育論・比較社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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