寺子屋新書
オランダ 寛容の国の改革と模索

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784901330725
  • NDC分類 302.359
  • Cコード C0236

内容説明

「オランダ病」から奇跡的回復を遂げ、「EUの優等生」と呼ばれる国。安楽死や麻薬、売春を合法化するなど、各国が驚く政策を打ち出す国。これらの改革は、建国以来の「寛容」と「合理主義」の精神に基づいている。この二つの精神が、生活しやすい国をどうつくり、多文化社会を一つの国家としていかにうまく機能させてきたか、そして、いまそれがどう揺らいでいるのか―。オランダがいま抱える問題は、国際情勢の新たな展開によってもたらされたものである。その意味で、オランダの改革や模索は、日本を含めた国際社会が抱えている問題を解く試みであるといえるだろう。

目次

第1章 究極の合理主義者のとらわれない改革(世界ではじめて安楽死を合法化;麻薬と売春―合法化の理由)
第2章 国土の建設―自由と独立を求めて(国家の成立とオランダの思想と技術;多様な価値を認める社会へ ほか)
第3章 生活しやすくつくられた社会構造(生活しやすい国;協調性とコミュニケーション)
第4章 棲み分け社会オランダ(変わりつつあるオランダ;団体ごとの番組制作による国営放送 ほか)
第5章 オランダ的「寛容性」の課題(統合政策の行きづまり;混乱とその諸要因 ほか)

著者等紹介

太田和敬[オオタカズユキ]
1948年生まれ。東京大学大学院教育学研究科満期退学・教育学博士。教育行政学・教育制度論専攻。文教大学人間科学部教授。教育制度が社会の統合や分化にどのような役割をはたすのか、個人の選択を保障する制度はいかなるものかを主要テーマとしている

見原礼子[ミハラレイコ]
1978年生まれ。一橋大学大学院博士後期課程在籍。日本学術振興会特別研究員。専門はヨーロッパの多文化社会における比較教育論・比較社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yuri

8
安楽死、大麻、売春が認められているオランダの寛容さの原点を探った本。平坦で国土の40%が埋立地という地理的要因は、自分の住処は自分で作るんだ!という強烈な当事者意識を芽生えさせたという。そうして一人一人が自分の暮らし、ひいては社会問題に深くコミットすることで、オランダの風通しのよさは作られていった。そういえば最近タモリ倶楽部でやっていたが、オランダはプロテスタントの影響も強く”やましいことは何もない”ということを証明するため、家にカーテンをする風習がないんだとか。知れば知るほど気になる国である。2018/03/17

そちゃ

2
オランダに住んでいた知り合いすすめられて読んだ。日本での常識とかなり違うところもあって、すぐには受け入れられない考え方もある。けど、一度行ってみたい。2015/08/24

ispanoman

0
近のヨーロッパに関する報道は専ら経済危機を扱っているものばかりと感じ ていたが、この本などは歴史的考察から現代のヨーロパの一国オランダをとりあげ、様々な考察をしている。二人の執筆からなり、広範囲だ。宗教の関わりと地理的特異性がこの国を形成してきたことが大きい。そして、常に意欲的に改革の実験をし続けているという印象を受けた。2013/05/28

とまる

0
この本を持って興味を持った部分は他の文献を当たるという形の入口という意味で、いい本だと思う。以前読んだ本の参考文献。2011/03/15

本大好き!

0
オランダについての概要をつかむという点からすればとても有意義な本。ただし第5章の内容は担当した人が違うせいか第4章までの流れとつながっていないようである。5章は内容もいまひとつだった。2010/04/26

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