内容説明
今もなお多くの読者に愛される永井荷風『日和下駄』。荷風が当時の東京に対して注いだ視線の先には、どのような都市景観が広がり、そこで荷風が真に見つめていたものは何だったのか。荷風の見た東京に現代の東京を重ねながら、『日和下駄』の世界を読み解く。
目次
第1 日和下駄の章
第2 淫祠の章
第3 樹の章
第4 地図の章
第5 寺の章
第6 水附渡船の章
第7 路地の章
第8 閑地の章
第9 崖の章
第10 坂の章
第11 夕陽 附富士眺望の章
著者等紹介
岩垣顕[イワガキアキラ]
1967年富山県生まれ。1990年日本大学芸術学部卒業。会社勤務の傍ら、休日は街歩きを楽しむ。現在、東京都豊島区在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ワッピー
8
東京35区地名辞典つながりで、2冊目。荷風の随筆「日和下駄」の世界を現代に追い求めます。荷風の当時も、東京では古い建物が失われ、路が、地形が、風景が変わる大変革の最中であり、幼時の頃の失われた雰囲気を求め、愛車(?)日和下駄を駆って歩き回ります。江戸時代にはもてはやされた寺院や仏像、著名な大木、切絵図、名寺、ウォーターフロント、路地、空き地、崖、坂そして夕日の名勝の面影を追っていくと、失われたもの、いまだ名残をとどめるものさまざまですが、東京は変わり続け、荷風の後継者は尽きないでしょう。2018/08/01