内容説明
おとなは絵をとおして何を育てようとしているのか。子どもはなぜ絵を描くのでしょうか。描く過程から見えてくるその背景と意味。
目次
第1章 描くことの始まり
第2章 子どもが絵を描く意味
第3章 子どもと大人のリアリティーの違い
第4章 その子なりの表現をどう捉えるか
第5章 描画の発達過程を問い直す
第6章 想像力の豊かさを求めて
第7章 子どもの絵をどう読み取るか
第8章 子どもの育ちを歪める大人の言動
第9章 「描くこと」を通して「共に生きる子どもたち」
第10章 子どもの絵は大人社会へ何を語るのか
著者等紹介
磯部錦司[イソベキンジ]
1959年岐阜県中津川市生まれ。新潟大学卒業、上越教育大学大学院修士課程修了。宝仙学園短期大学助教授。美術教育研究者、作家、実践者の三者の立場から絵画を通して生命観・自然観について独自の視点から追求している。主な活動:デンマークと日本における子どもたちとのコラボレーション「いのちとの会話」プロジェクト、造形活動を通した子どもたちとのワークショップ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aidennbook
3
鴨見カモミさんが教えてくれた本。子どもが絵を描くとはどういうことなのか、絵を描くのが嫌いになってしまうのはなぜなのか、大人はどう関わっていくべきなのか。これらの答え(ヒント?)を自身の経験と知識から提示してくれる。 私は絵を描くことが嫌いだったけど、今は好きになりつつあるので、興味深い本だった。 マラソンとかも同じで、例え遅かったとしても走るのが嫌いなんじゃなくて、速い人と比べられたり、自分で比べてしまうのが嫌なだけという場合も多いと思う。趣味で楽しむ分には速い遅い関係ないよね。2019/10/13
とも
2
「上手な絵」イコール「良い絵」、「下手な絵」イコール「悪い絵」はどちらも成り立たない。子どもが何のために絵を描くのかを読み取る努力をすべきであり、大人の価値観で評価すべきではない。目に見えたものを写し取るのではなく、体験とか自分が感じる世界を描くこともあるということを知っていなければならない。成長するにしたがって「写実派」、「感覚派」、「中間派」に分かれるというのはなるほどと思った。2016/08/26