出版社内容情報
"馬主・騎手・装蹄師・獣医師など競走馬に夢を託す男たちの姿を描く。「週刊ギャロップ」連載の感動のノンフィクション第2弾。
ナリタブライアン、トウカイテイオー、メジロラモーヌ、ナリタトップロード、ショウナンカンプ、ヒシミラクルなどの名馬が登場。
誕生、成長、闘病、出産、死別、そして勝利など……サラブレッドが奏でる""営み""の歌を聴け!"
第一章 万感の引退レース~ナリタトップロードと厩務員・東康博~
“トップ”の力はこんなもんじゃない/また傘マークがついてるよ/ファンの声
第二章 十七年目の初GⅠ勝利~ショウナンカンプと馬主・国本哲秀の縁~
ビジネスに打ち込む日々/この馬は競走半分、繁殖半分だよ/浪漫を胸に……/バクシンオーで勝負しましょう/圧巻の逃げ切り/母仔とともに歩んだ歳月
第三章 馬に捧げた三十七年の誇り~新潟県競馬廃止と調教師・赤間松次の闘い~
競馬をやりたくても……/喉から手が出るほど馬房が……/一膳の茶碗/馬体をふいたタオル/四百五十五頭の行き先/無口なジョッキーと大雪開催
第四章 二十九連勝への道~“リストラの星”ドージマファイターと足利の老伯楽~
俺が家族を守んなきゃ/血統は二の次でいい/十枚の毛布/結果で教えてやる/右前脚の限界/渡良瀬川のうねり/北海道の愛馬
第五章 天国の師匠への贈り物~船橋競馬騎手・左海誠二の中央勝利~
馬のおじちゃん
必ず“先生”と呼べ/あんちゃんへの洗礼/地方も中央も関係ない/最大の俺の試練/かけがえのない人馬
第六章 亡き三冠馬と過ごした日々~ナリタブライアンと早田牧場の>あとがき
「九分九厘、蹄葉炎(ていようえん)になる可能性があります」
獣医師の声が、静寂の馬房に響いた。
「ガンの宣告を受けた気分だった」
倉見は言葉を失った。三瓶も沈黙するしかなかった。
蹄が壊死(えし)する病は……生命の危機を意味する。蹄葉炎が原因で、あのテンポイントやトウショウボーイも亡くなった。大型動物は三本脚では生きていけない……五百キロ近い体重を支える四つの蹄は、いわば馬の“心臓”だった。……
(『第7章 1パーセントの生存に賭けて~プリモディーネとサンシャイン牧場の闘病生活~』より)
ノンフィクションと一言で言い切ってしまうには勿体ない本です。
競馬ファンの方々だけでなく、この本に書かれている現実から、目をそらさないで、読んでいただけたら幸いです。
逆境の中でも決して負けないで頑張れる。そのことを痛切に感じさせてくれる一冊です。
内容説明
ナリタブライアン、トウカイテイオー、メジロラモーヌ、ナリタトップロードなど、競走馬の“営み”を描く、壮絶の競馬ノンフィクション!誰も知らない、命の戦い。
目次
第1章 万感の引退レース―ナリタトップロードと厩務員・東康博
第2章 十七年目の初G1勝利―ショウナンカンプと馬主・国本哲秀の緑
第3章 馬に捧げた三十七年の誇り―新潟県競馬廃止と調教師・赤間松次の闘い
第4章 二十九連勝への道―“リストラの星”ドージマファイターと足利の老伯楽
第5章 天国の師匠への贈り物―船橋競馬騎手・左海誠二の中央勝利
第6章 亡き三冠馬と過ごした日々―ナリタブライアンと早田牧場の七年四カ月
第7章 一パーセントの生存に賭けて―プリモディーネとサンシャイン牧場の闘病生活
第8章 母の“血”に込めた情熱―メジロラモーヌと獣医師・田中秀俊、十六年の出産記録
第9章 二十年目のラストチャンス―トウカイテイオーと安田隆行のダービー挑戦
最終章 五十年目の春―アカネテンリュウ、オサイチジョージ、ヒシミラクル…大塚牧場と子孫繁栄の営み
著者等紹介
大塚美奈[オオツカミナ]
1973年千葉県生まれ。和洋女子大学卒。競馬ノンフィクション・ライター。89年、オグリキャップとイナリワンが死闘を演じた毎日王冠をきっかけに、競馬に強く惹かれる。以降、毎週競馬場に足を運ぶようになり、大学時代には、北海道・白老町で牧場のアルバイトを経験する。95年、競馬雑誌「週刊Gallop」の門を叩き、取材・執筆活動を始める。G1馬の故郷や日高の名馬を訪ねる記事などにより、馬産地で暮らすサラブレッドのありのままの姿を読者に伝え、好評を博す。2001年、同誌にて、競走馬の現場に携わる人たちを題材とした「馬と人、真実の物語」を連載開始。生産者、厩務員、調教師、騎手など、競馬界の裏舞台で地道な努力を重ねるホースマンの“背中”を描き、その飾らない、奥行きある文体により、大反響を巻き起こす
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感想・レビュー
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