内容説明
超高齢化社会、崩壊寸前の介護制度、年金問題を一挙に解決する「極秘プロジェクト」が始動した。一人の医師がその渦中に身を投じるが…日本社会が突き当たる壁に現役医師が挑んだ渾身の医療ミステリー。
著者等紹介
金丸仁[カナマルヒトシ]
1947年、石川県金沢市生まれ。1973年、東京大学医学部卒業後、外科医となる。1983年、現在勤務する藤枝市立総合病院の外科に赴任。途中7年間同院の院長を務めたが、現在は再び外科医に戻って手術をこなす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
103
ラスト1行でこの作品のタイトルが理解出来た。私なら・・『不老即死』の治験を選ぶだろう。妻を看取るまでは死ねないと更なる治験(こちらは動物実験もまだ・・)を選んだドクター・長瀬は妻亡きあとの長い長い年月を死んだように生きた・・これは辛い。しかし、現実はどうだろうか?多くの人が年金・介護等の問題を不安視してピンピンコロリを願っているにも関わらず、その『スイッチ』を押さないのだ。きっと日本のどこかで『不老即死』の開発が進んでいると信じたい。これはもっと多くの人に読んでもらいたい作品だと感じた。2017/04/04
うさうさ
23
外科医を定年後、特養の常勤医になった医師が「不老即死」を掲げる遺伝子治療の治験に参加する。超高齢化社会、年金、介護問題、尊厳死…現在の問題がてんこ盛りで深い作品だった。この遺伝子治療、どこかで本当に研究が進んでいることを願う。2017/04/11
よぶ
10
介護、年金の現在の問題が書かれています!私は人様に迷惑をかけて長生きしたくない。『ただ生かされている』という状態になりたくない。そう♪ピンピンコロリ!理想的な最期ですね!2017/03/06
fukafkacraft
4
老人介護と医療費問題。重いテーマに反し、おっとりした主人公の性格のせいか、話は淡々と進む。遺伝子治療によって老化を阻止する極秘研究。副作用としてある日突然、急速老化が進み、ぽっくり死ぬ直前まで元気に生きられる画期的な発明だった。延命治療に反対してきた主人公の医師がこの遺伝子治療を受け、余命を待つのみとなったところ、膵臓癌に罹かった妻を看取るため、研究中の不老不死治療を受ける。この説明が何度も繰り返されるので、併読本としてはありがたい。妻を看取る場面で悲しみに襲われることもなく、最後は視点がおかしい。2017/05/25
くろだ
3
実はうちの病院の先生が趣味で書いている小説。リアルな医療現場が出てきたりするので、一般の方は少し理解し難いのかもしれませんが、私はスラスラ読めました。これからの高齢社会を中心としたテーマです。2014/08/27