内容説明
実存を賭した抗争に露呈する「政治的なるもの」―。「チリの地震」「ヘルマンの戦い」、その極北たる「ペンテジレーア」…。近代のとば口を疾駆した天才クライストの文学世界を、主要テクストすべてに触れながら照らし出し、その現代性を鋭く剔抉。重要クライスト論四篇、併せて訳出。
目次
わたしの言う自由とは―クライスト「ヘルマンの戦い」と「聖ドミンゴの婚約」における夷狄支配
「ペンテジレーア」―「政治的なるもの」と「愛」
流動化する国家―クライストの政治的著作における共同体の問題について
機械仕掛けの国父―クライストにおける“君主”の形象
口ごもる言葉と躓く身体―クライストの文化的人間学概要
描出の揺らぎ―クライストの「チリの地震」
「事態のこの恐ろしい変転」―クライスト作品における事物の作用力
著者等紹介
大宮勘一郎[オオミヤカンイチロウ]
1960年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授(ドイツ文学)
橘宏亮[タチバナヒロスケ]
1982年生まれ。ヴュルツブルク大学博士課程在籍
西尾宇広[ニシオタカヒロ]
1985年生まれ。慶應義塾大学商学部准教授
クリューガー,ルート[クリューガー,ルート] [Kl¨uger,Ruth]
1931年生まれ。元カリフォルニア大学アーヴァイン校教授
ノイマン,ゲルハルト[ノイマン,ゲルハルト] [Neumann,Gerhard]
1934年生まれ、2017年没。ボン、フライブルク、ミュンヒェン大学教授を経てベルリン自由大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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