内容説明
一九七七年に『ものぐさ精神分析』として出版されて以来、熱狂的な支持と一部の反対・批判にもさらされてきた「唯幻論」。この独創的な理論はどのような道筋をたどって生まれたのか。「なぜセックスしない男女関係こそ“清らか”と考えていたのか」「なぜ日本兵の死体の写真を見ると、ひどいショックを受けるのか」著者のあくまで個人的な疑問点から構築されたのが「性的唯幻論」であり「史的唯幻論」だった。そこには、著者が子供時代に経験した母親からの過度な期待と、それにともなう強迫観念が澱のように横たわっていた―。著者が「人生最後の本」として唯幻論の一部始終を総括した本。
目次
第1章 性的唯幻論と史的唯幻論
第2章 わたしの略歴
第3章 偽りの理想的母親像
第4章 強迫観念から生まれた性的唯幻論
第5章 現実感覚の不全
第6章 でっちあげられた「天孫降臨神話」
第7章 善意の加害行為
第8章 消えた我が家
著者等紹介
岸田秀[キシダシュウ]
1933年、香川県生まれ。「人間は本能が壊れた動物である」という前提から、自我や家族、歴史、国家、セックスにいたるまで「幻想」に支えられて成り立っているという「唯幻論」を提唱(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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