内容説明
可笑しみのある詩、弱っちい感じの詩、軽やかな詩、明晰な詩、遠くにつれていってくれる詩、そして勇ましい詩…江國香織が選んだ、詩のアンサンブルをお楽しみください。
目次
1(ぼくの船(レイモンド・カーヴァー)
娘とアップルパイ(レイモンド・カーヴァー)
まんきい(金子光晴) ほか)
2(雌猫(ウンベルト・サバ)
ある散歩のあとで(ウンベルト・サバ)
手紙(谷川俊太郎) ほか)
3(雨(フランシス・ポンジュ)
秋の終り(フランシス・ポンジュ)
来るんじゃない 私が死んだならば(アルフレッド・テニスン) ほか)
著者等紹介
江國香織[エクニカオリ]
1964年東京生まれ。87年『草之丞の話』(はないちもんめ小さな童話賞大賞)で児童文学作家として出発。その後、映画化もされた『きらきらひかる』や山本周五郎賞受賞の『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』を発表。2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
164
お気に入りさんの感想から手に取りました*お気に入りの江國香織さんが選ばれた詩の数々。「どう見ても力強いアンソロジーです。力強すぎるかもしれません。」と冒頭で書かれていますが確かにインパクトのある詩も多く力強くて圧倒されました(笑)美しく優しく、そして力強く、切ない想いや情熱的な想いに溢れた詩も沢山あります。恋愛の詩がとても素敵♡さすが江國さんセレクト♪『活発な暗闇』というタイトルもピッタリ!お気に入りは「ぼくの船」「娘とアップルパイ」「夜のパリ」「氷辷り」「悲しみのあとで」。江國さんからの素敵プレゼント*2015/12/16
アキ
99
江國香織が選んだ詩集です。酒井駒子の表紙の女の子と裏表紙の赤いさくらんぼの絵が色を添えます。2003年刊行の2015年新装改訂版です。なんといっても江國香織の感性で集められた詩がどれも好ましいだけでなく、彼女の詩へのコメントがユニークで愉しい。身勝手な詩、弱っちい詩、動く詩、軽やかなもの、明晰なもの、遠くに連れて行ってくれるもの、勇ましいものの集まり。最初はレイモンド・カーヴァ―「ぼくの船」で始まり、最後にレイモン・ラディケの詩「パリの河岸の絵はがき」堀口大學訳で終える。これは夜に読むのがいい詩集ですね。2021/12/10
かりさ
79
心に少しの隙間が出来て寂しい時、けれどもその隙間全部を埋めなくてもいい時(寂しさ切なさもほんの少し持っていたい)、詩がちょうど良くするんと隙間に入り込んでくれます。冬は詩を読むことが多い気がします。「活発な暗闇」タイトルからして詩的で素晴らしい。江國香織さんが選んだ詩たちは様々な色合いと形をしていて、その時々の自分にあったものをつまんでいけそう。それらは決して甘やかでなく、それぞれが眩しく力いっぱい光を放ち暗闇の中で輝くものたち。最後に添えられた夭逝のレイモン・ラディゲの詩が印象的。自分へのクリスマス本。2015/12/02
吉田あや
63
表紙に続き黒いベールを捲ると透ける、暗闇にぷるんと弾けるような瑞々しいさくらんぼ。酒井駒子さんの美しく幻想的な絵から誘われる、哀しみを、喜びを、鼻腔を掠める思い出の匂い。優しい夕暮れ、銀色の寂しい夜、光溢れる朝。力強く瞬くように過ぎ去りしいつかの場所を起想させる。まさに活発な暗闇。2015/12/08
mizuki
49
お気に入りさんの感想から手に取りました!江國香織さんが選んだ詩集をまずは1人で楽しみました。そのあとで江國さんの感想を読み、彼女の詩の楽しみ方を知ることで再度読書を楽しむことができました♡ わたしのお気に入りの詩を江國さんはこんな風に感じているのか、わたしを素通りした詩は江國さんにはこんな風に感じられたのか〜と彼女の感性に憧れるばかりでした♡ 詩を読み過去を懐かしむ様子や自分の気持ちの表現の仕方がとても優しく、どこか江國さんのエッセイを読んでいるかのような気分を味わえました✲゚装丁もまた素敵ですね♡2016/05/13