鰤のきた道―越中・飛騨・信州へと続く街道

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 126p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784900918566
  • NDC分類 682.142
  • Cコード C0039

出版社内容情報

ブリはなぜ、山国信州の年取り魚になったのか? その昔、いかにして信州へと運ばれたのか? 富山~高山~松本まで「鰤街道」の歴史と民俗を貴重な写真資料とともにたどる。ブリの不思議な生態、富山のブリ漁など知られざるブリ食文化の魅力が満載。

信州の鰤街道と鰤文化◎市川健夫
富山の鰤漁と暮らし◎小境卓治
鰤のきた道概略ルート図
鰤のきた道をゆく◆第一部
越中富山から飛騨高山へ
富山を発つ
 神通川に沿って/籠の渡し
 コラム●神通川に架かる笹津橋
 飛越国境の関門
    西猪谷関所/関所を通った人々と物/越中から飛騨へ運ばれた「登り荷物」
    飛騨から越中に来た「入り荷物」
 コラム●西猪谷関所の通行証
 東と西、二つの道筋
    越中西街道/越中東海道
 飛騨高山に着く
    高山の町/肴商人の思い/今も息づく伝統
 コラム●川上家が一手に販売
    鰤と年取りの思い出(年取り魚アンケート富山県・岐阜県)/鰤桶の思い出
鰤[ブリ]という魚の不思議◎稲村 修
 ワタシの履歴書
鰤のきた道をゆく◆第二部
飛騨高山から信州松本へ
 江戸街道を辿る
    甲・黍谷・野麦の集落
 野麦峠越え
    野麦峠とボッカ/ボッカさの権太も落ちた難所/冬の野麦を越えた人と物
    天下無敵の尾州岡船
 コラム●旅籠松田屋/鰤を運んだ街道による文化の伝播「奈川獅子舞」
 寄合渡から松本、そして伊

監修にあたって■市川健夫
 日本列島は南北に3000キロメートルにもわたっているばかりか、東西の経度差は三一度におよび、時差が二時間四分にも達する大国である。このような日本列島のなかで最も幅が広いのが中部地方である。長野県・信濃国は中部地方南北に212キロメートルにもわたり、存在している。
 日本列島を地質構造上東日本と西日本に分たっているのが、フォッサ・マグナ(大地溝帯)である。ここは第三紀まで海溝であったが、その後陸化して筑摩山地となり、そこには八ケ岳をはじめ富士火山帯に属する火山が噴出している。
 このフォッサ・マグナを境にして、日本の民俗文化は東西に分たれている。しかし、東西文化の接点は一様ではなく、文化によってその接点も様々である。たとえば古代から明治・大正・昭和時代まで、敦賀湾と伊勢湾を結ぶ線から以東の東日本では、大家畜として馬が飼われていた。また以西の西日本では牛が使われていた。鉄道交通が発達するまで、日本の交通事情は「北馬西船」ということばで表現できた。この牛馬は陸上の交通手段のみではなく、農耕に用いられ、肥料の生産手段でもあった。この牛・馬の文化圏は現代ではみられないが、肉の消費動向をみると 日本の年取り魚は東では鮭、西では鰤になっている。この鰤文化の東端が中南信である。日本の基層文化は米作を中心とする照葉樹林文化複合であるが、上方といわれた畿内を中心に西日本に発展し、順次その文化が東漸していった。照葉樹林文化の構成要素である鵜飼いにしても、信州では諏訪湖と天竜川のみに発展していた。明治10代、乱獲を理由に諏訪湖と天竜川の鵜飼いは禁止された。また下伊那郡においては照葉樹林文化複合である柚子・雑柑などの柑橘類が栽培されてきた。
 東西文化圏の接点を示すもので一番鮮やかなものが、年取り魚としての鰤と鰤の文化圏であろう。年取り魚として鰤を用いるようになったのは、中世の末、戦国時代のことかと思われる。京・大坂あたりの上方で、年取りの晴の食として北陸地方産の寒鰤を用いる風習が東漸して、信州の松本・木曽福島・諏訪・飯田あたりまで定着するようになったのは、江戸中期からである。
 貞享五年(1688)高山の肴問屋川上哲太郎家に、越中鰤の専売権が与えられるが、このころから、高山経由で飛騨鰤が中南信へも運ばれるようになった。かつて関西と関東との境界は、愛発・不破・鈴鹿の三関であった。ところが、質的に高い関西(上方)の

ノーベル賞の受賞で、一躍時の人となった田中耕一さん(富山市)、小柴昌俊さん(神岡町)は、ブリ街道沿線に縁あるお二人。昔のブリ街道は、いまや「ノーベル街道」「出世街道」などと呼ばれて再び注目を集めています。受賞者の発表があったのは、奇しくも本書制作の真っ最中のことでした。街道沿いの各地の見所も紹介しているので、旅ガイドとしてもおすすめです。この本と一緒にブリ街道をたどれば、「出世街道」まっしぐら?

内容説明

冬の荒海(富山県氷見沖)を回遊し「神の魚」と呼ばれた寒ブリは牛の背にゆられ深山を分け入り人力で雪の峠を越えて信州へ運ばれた…。200キロにおよぶ遙かなる街道の歴史と民俗をたどり信州の伝統的食文化を検証する。

目次

信州の鰤街道と鰤文化
富山の鰤漁と暮らし
鰤のきた道をゆく第1部 越中富山から飛騨高山へ
鰤という魚の不思議
鰤のきた道をゆく第2部 飛騨高山から信州松本へ
塩そして魚の移入―峠を越えた時代のこと
松本平の鰤文化
今に生きる鰤のきた道―21世紀の鰤街道をゆく

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

にょろにょろ

0
今年の年取りは鰤を食べて来年一年間元気にブリブリ暮らしたいと思う。 2017/05/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1763885
  • ご注意事項

最近チェックした商品