出版社内容情報
がんの告知を受けたとき、あなたはどのような生き方を選ぶか。治療への心構え、緩和ケアという選択など、現場の医師たちがさまざまな具体例を紹介する。『長野日報』紙上に1997年5月21日から1999年6月9日まで連載された「死を大切にする心・地域緩和ケアをめざして」を加筆訂正、再編した。
プロローグ 昔とは変わった「死の風景」
恐れずに、まずは「死」について考えてみる
「死」はすべての人にやってくる/なぜ「死」について考えたくないのか/院内死の増加がもたらしたもの/医療から見た死の変化/具体的に死を考える.1──何をどう考えたらいいのか/具体的に死を考える.2──突然の死/具体的に死を考える.3──時間の残された死/具体的に死を考える.4──残された時間をどう過ごすのか/がんの基本的な性質
今や避けては通れない 告知とその周辺
最期の別れもできない!?/死を受容できない現代人/患者さんの反応/家族の反応/残りの生を自分らしく/人生との和解/なぜ告知が必要なのか/寄り添いのない告知は暴力である/医師は死から逃げてはいないか/真実を伝え、ともに死と向き合う
選ぶのはあなた自身 がん治療への心構え
インフォームド・コンセント/インフォームド・チョイス/主流は外科的治療/化学療法の効果と副作用/化学療法の可能性と現状/「効く」とはどういうことか/変わる臨床試験のイメージ/化学療法をすすめられたら/化学療法──私はこう考える/放射線治療の効果と副作用/放射線治療が有効ながんの種類/その他の
目次
1 恐れずに、まずは「死」について考えてみる(「死」はすべての人にやってくる;なぜ「死」について考えたくないのか;院内死の増加がもたらしたもの ほか)
2 今や避けては通れない 告知とその周辺(最期の別れもできない!?;死を受容できない現代人;患者さんの反応 ほか)
3 選ぶのはあなた自身 がん治療への心構え(インフォームド・コンセント;インフォームド・チョイス;主流は外科的治療 ほか)
4 痛みからの解放 緩和ケアという選択(緩和ケアの概念;緩和ケアの歴史と現状;痛みの九割は取り除ける ほか)
著者等紹介
山下共行[ヤマシタトモユキ]
’57年生まれ。諏訪中央病院内科主任医長。専門はがん化学療法、内分泌。筑波大学医学専門学群を卒業後、東京女子医科大学内分泌外科で外科医として乳がんや甲状腺がんの治療にあたった。思うところがあって外科医から内科医に転身し、国立ガンセンター東病院化学療法科で研修後、現在に至る。モットーは「毎日を悔いのないように生きる」。一見元気な中年男だが、実は病弱でよく病院のお世話になっている
平方真[ヒラカタマコト]
’62年生まれ。諏訪中央病院緩和ケア医長、血液内科医。山梨医科大学卒業後、武蔵野赤十字病院で総合臨床研修。北海道厚岸町立病院での地域医療実践、自治医科大学での血液内科研修を経たのち、平成6年より諏訪中央病院勤務。平成10年7月、同病院に緩和ケア病棟が開設されるのにともない、それまでばらばらにおこなっていた病棟、在宅、外来緩和ケアを一つのチームに統合し、総合的な緩和ケアをおこなう体制を確立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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