最新吸着技術便覧―プロセス・材料・設計

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  • サイズ B5判/ページ数 867,/高さ 27cm
  • 商品コード 9784900830349
  • NDC分類 571.5
  • Cコード C0000

出版社内容情報



 大好評の「吸着技術ハンドブック」(1993年発刊)を大幅改訂。執筆陣・内容を一新。 各種吸着材
の製法と利用上重要な性能 測定法のほか 吸着プロセス 最新の吸着操作解析法と設計法を詳
述。 環境関連分野のほか 全ての工学分野の人々にお届けする待望のハンドブック。

編集からのメッセージ

 改訂版の発刊が待たれていた「吸着技術ハンドブック」は、その名も「最新吸着技術便覧」に
改め、監修者・編集委員もすべて一新しての発刊となった。
 吸着技術は、環境汚染対策はいうまでもなく、古くからガス分離や溶液精製など、あらゆる工
業と密接に関連し、化学工学の重要な分野として発展を遂げてきた。
 本書では旧版が材料を中心とした応用技術の紹介であるのに対し、実用的な吸着プロセスの
解析・設計に最大の力点を置き、吸着操作の最新の解析法、装置設計法を余すことなく紹介し
た。
高い水準の記述であると同時に、実用性の高い内容となっている。

 
 
あとがき より

 
 近年、吸着技術は急速な進展を遂げました。
その進歩の跡を辿ってみますと、各種の溶剤蒸気の大気への放出防止のための回収・除去技
術、大気汚染防止のための燃焼排ガスなどの浄化技術、各種の工業で活発に行われているガス
の分離・精製技術(例えば圧力スイング吸着(PSA)技術)、その他各種の吸着材を用いた溶液精
製と必要成分抽出のためのクロマトグラフィー、および活性炭吸着を応用した水の高度処理技術
などの成果が挙げられます。
また、最近では、バイオテクノロジーの名の下に、医薬品製造、生体・生物工学関連の分野でも、
吸着技術を応用し、あるいは他の技術と複合して色々な成果が挙げられております。
 応用技術の進歩は基礎となる科学・技術の進歩に負うものでしょうから、吸着技術の進歩・発展
は、吸着科学と吸着工学の成果を用いた吸着操作の解析・設計法の進歩とも関連が深いと思いま
す。
これらの解析・設計法に関する成果の中には、世界に誇るものも多いと思います。
 これらの吸着技術の現状をまとめ、今後の一層の普及・発展に寄与する目的で本書の改訂・編
集を企画しました。
編集に当たっては、吸着技術、吸着材、吸着プロセスの解析と設計の三つの相互関係を考え、研
究・技術の第一線にある事項を網羅し、第1部では各種の吸着プロセス、第2部では吸着材の製法
と利用上重要な各種の性能の測定法、最後に第3部では吸着操作の最新の解析法と設計法を紹
介して頂くことに致しました。
 本書が化学工業 環境関連分野の研究者に広く役立つものであることを確信しております。
 
                 監修者  竹 内   雍


著 者


監修 竹内 雍 明治大学理工学部工業化学科教授

編集委員
糸賀  清 武田薬品工業(株)生活環境カンパニー研究開発部長
迫田 章義 東京大学生産技術研究所計測技術開発センター助教授
安武 重雄 (株)荏原製作所薬品事業部機能材料技術部長
古谷 英二 明治大学理工学部工業化学科教授
森下  悟 東ソー(株)ファインケミカル事業部企画開発室参事
(執筆者全129人)

目 次

第1編  吸着を利用した各種のプロセス
序論 吸着プロセス発展の歴史
第1章 溶剤の回収と除去
 第1節 概説
 第2節 アセトンの回収
 第3節 塩化メチレンの回収・除去
 第4節 二硫化炭素の回収
 第5節 シクロヘキサノンの回収
 第6節 活性炭素繊維を用いた溶剤回収装置・脱臭装置
 第7節 流動床型溶剤回収装置
 第8節 ハニカムローター型溶剤濃縮・回収装置
  1 活性炭による処理
  2 ゼオライトによる処理  
第2章 ガス分離と精製
 第1節 概説
 第2節 水素の精製
  1 U.O.P.法(ゼオライト利用)
  2 Bergbau法(CMS利用)
  3 TOYO法(新PSAシステム)
 第3節 一酸化炭素の分離
 第4節 炭酸ガスの分離と回収
 第5節 合成天然ガスの精製
 第6節 酸化エチレンプロセスのオフガスからのエチレン回収
 第7節 空気分離に係わる吸着技術
 第8節 プロセスガスの精製
  1 プロピレンの精製
  2 炭酸ガスの精製と回収
  3 天然ガスの精製
  4 嫌気性消化ガスの分離
 第9節 その他
  1 難燃性溶剤の回収(PSAによる)
  2 農作物保鮮用環境調節装置(PSAによる)
  3 XeとKrの分離(PSAによる)
第3章 空気の浄化と排ガスの処理
 第1節 概説
 第2節 添着活性炭による脱臭
 第3節 粘土鉱物による脱臭
 第4節 有毒ガスの除去
  1 防毒マスクへの応用
  2 半導体製造プロセスにおける有毒ガスの除去
 第5節 排ガスの処理
  1 排煙の脱硫と脱硝
  2 排ガスからのダイオキシンと水銀蒸気の除去
  3 原子力産業における排ガスの処理
 第6節 クリーンエアーの製造プロセス
 第7節 排水処理施設における脱臭処理
 第8節 廃オゾンの処理
 第9節 土壌や地下水中の揮発性有機塩素化合物を含む排ガスの処理システム
第4章 気体の脱湿
 第1節 概説
 第2節 天然ガスの脱湿と脱酸
 第3節 ナフサ(オレフィン)分解ガスの脱湿
 第4節 複層ガラスに充填されている気体の脱湿
 第5節 空気の脱湿
  1 固定床式
  2 ハニカムローター式
 第6節 炭酸ガスの脱湿
第5章 液体の脱水
 第1節 概説
 第2節 ケトン類の脱水
 第3節 トランス油の脱水
 第4節 LPGの脱水
第6章 溶液の精製
 第1節 概説
 第2節 精糖工業における応用(糖液の脱色精製)
  1 精製糖への応用
  2 澱粉糖への応用
第7章 混合物のクロマト分離
 第1節 概説
 第2節 擬似移動床による分離
 第3節 糖類の多成分クロマト分離
第8章 浄水処理
 第1節 概説
 第2節 一般浄水の処理システム
  1 イオン交換による硝酸性窒素処理
  2 除鉄・除マンガン処理
  3 トリハロメタンの低減処理
 第3節 浄水場における実施例
  1 東京都水道局金町浄水場
  2 大阪府水道部村野浄水場階層浄水施設
  3 阪神水道企業団猪名川浄水場
  4 我孫子市水道局
  5 郡山市水道局(ダム水水源における高度浄水処理)
第9章 高度汚染排水の処理
 第1節 概説
 第2節 下水処理への応用 
 第3節 し尿処理への応用
 第4節 工場排水処理への応用
 第5節 埋立地浸出水処理への応用
 第6節 特殊用途への応用
  1 水系洗浄におけるクローズドシステム
  2 ゴルフ場排水中の農薬処理
  3 ダム流入河川のリン吸着除去技術
  4 研究所排水の処理
  5 病院排水の処理
第10章 アメニティー・家庭生活のための応用
 第1節 概説
 第2節 医療分野における応用
  1 酸素濃縮器への応用(呼吸機能補完用)
  2 血液浄化への応用
 第3節 おいしい水創り
 第4節 民生機器への触媒の利用
 第5節 クリーニング排水の処理

第2編 吸着材
序論 吸着材の性質と製造およびその利用
 第1節 歴史
 第2節 物性と測定法
 第3節 化学的性質
第1章 炭素質吸着材
 第1節 粉末状活性炭
  1 二村化学工業(株)製「太閣」粉末活性炭
  2 武田薬品工業(株)製
  3 NORIT社 製
 第2節 粒状活性炭
  1 Calgon Carbon社 製
  2 クラレケミカル(株)製
  3 武田薬品工業(株)製 粒状白鷺
  4 NORIT社 製
  5 三菱化学(株) 製
  6 呉羽化学工業(株)製
  7 荏原製作所(株)製
  8 (株)ツルミコール製
  9 Rohm and Haas 社製
 第3節 新規に開発された活性炭
  1 大阪ガス(株)(スーパー活性炭)
  2 関西熱化学(株)(KOH賦活高表面積活性炭)
  3 フェノール系活性炭
 第4節 繊維状活性炭
  1 (株)アドール 製
  2 クラレケミカル(株)製
  3 東洋紡績(株)製(Kフィルター)
  4 東邦レーヨン(株)製
 第5節 活性炭成型体
  1 (株)神戸製鋼所(ハニカム状活性炭)
  2 クラレケミカル(株)製
  3 武田薬品工業(株)製 ~活性炭及びその他加工応用品~
第2章 シリカ・アルミナ系吸着材
 第1節 シリカ系吸着材~水澤化学工業(株)製
 第2節 アルミナ系吸着材
  1 水澤化学工業(株)製
  2 住友化学工業製
 第3節 ゼオライト
  1 東ソー(株)製
  2 ユニオン昭和(株)製 モレキュラーシーブ
  3 水澤化学工業(株)製
第3章 高分子吸着材
 第1節 概説
 第2節 樹脂吸着材
  1 Rohm and Haas 社製
  2 三菱化学(株)
  3 Bayer
 第3節 イオン交換樹脂
  1 Rohm and Haas 社製
  2 三菱化学(株)
  3 SYBRON CHEMICALS INC.製
 第4節 放射線利用による高分子吸着材料の高機能化
第4章 その他の吸着材
 第1節 キトサン樹脂
 第2節 金属錯体系吸着材
  1 金属錯体系吸着材
  2 有機金属錯体
 第3節 無機イオン交換体~武田薬品工業(株)製
第3編 吸着プロセスの設計
序論 吸着に関する歴史と研究の動向
第1章 吸着平衡関係の測定とその利用
 第1節 平衡理論と平衡データの整理
 第2節 吸着平衡測定法と実測データの整理
 第3節簡便な平衡吸着量決定法
  1 平衡測定法の整理
  2 回分平衡吸着の測定と整理
  3 吸着破過曲線の整理
第2章 吸着速度の理論と物性値の取得
第3章 固定層吸着塔の設計
 第1節 設計に必要なデータ
 第2節 設計に必要な基礎式
 第3節 ステップ応答法を用いた場合の操作設計
 第4節 PSA法を用いた場合の操作設計
 第5節 クロマト分離法を用いた場合の操作設計
第4章 空気の浄化と排ガスの処理
 第1節 設計に必要なデータ
 第2節 設計に必要な基礎式
 第3節 操作設計法
第5章 流動層吸着塔の設計
 第1節 設計に必要なデータ
 第2節 設計に必要な基礎式
 第3節 操作設計法
第6章 回分式吸着装置の設計
 第1節 設計に必要なデータと基礎式
 第2節 操作設計法
第7章 吸着材の再生法と再生装置の設計・稼働
 第1節 操作法の概要
 第2節 活性炭の加熱再生装置の設計
 第3節 溶剤回収における吸着剤の再生
 第4節 ゼオライト・シリカゲル・アルミナなどの再生法
 第5節 オゾン酸化~生物活性炭による水処理

内容説明

吸着技術を解説した便覧。吸着技術、吸着材、吸着プロセスの解析と設計、の三つの相互関係に重点を置き解説。索引付き。

目次

第1編 吸着を利用した各種のプロセス(吸着プロセス発展の歴史;溶剤の回収と除去;ガスの分離と精製;空気の浄化と排ガスの処理;気体の脱湿;液体の脱水;溶液の精製;混合物のクロマト分離;浄水処理;高度汚染排水の処理;アメニティ・家庭生活のための応用)
第2編 吸着材(吸着材の性質と製造およびその利用;炭素質吸着材;シリカ・アルミナ系吸着材;高分子吸着材;その他の吸材)
第3章 吸着プロセスの設計(吸着プロセスの解析と設計の動向;吸着平衡関係の測定とその利用;吸着速度の理論と物性値の取得;固定層吸着装置の設計;空気の浄化と排ガスの処理;流動層吸着塔の設計;回分式吸着装置の設計;吸着剤の再生法と再生装置の設計・稼働)

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