内容説明
英国国鉄の分割民営化の破綻を物語る、それは象徴的な出来事だった―。膨大な調査によってその内幕を暴いたスリリングなドキュメント。
目次
レールトラック社―その悼まれない死
政府と鉄道―そのおぞましい依存関係
英国国鉄はそのサンドイッチのようにひどかったか?
車輪にかかる人頭税
輪をかけた失敗―レールトラック社の売却
難局に手をこまねく労働党政権
一瞬の不注意
信号SN109のもたらした悲劇
ハットフィールド―鉄道会社を滅ぼした事故
民営化の代価―機能不全に陥った鉄道
夢の宝物―よりよい鉄道は可能か?
断片を再び寄せ集める
著者等紹介
ウルマー,クリスチャン[ウルマー,クリスチャン][Wolmar,Christian]
運輸及び社会問題を専門とするノンフィクション作家。ブロードキャスター。「レール」誌にコラムを執筆するほか、「インディペンデント」、「インディペンデント・オン・サンデー」、「イヴニング・スタンダード」、「ニュー・ステイツマン」、「パブリック・ファイナンス」などで、幅広い執筆活動を行なう
坂本憲一[サカモトケンイチ]
1944年生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。出版社で美術書の編集に携わった後、翻訳家になる
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感想・レビュー
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山口透析鉄
20
県内の図書館本で。翻訳がイマイチでしたが、内容は良作でした。英国の国鉄民営化が失敗した理由が網羅的に書かれていて、翻訳本が出たのは2002年12月ですが、この後、だいぶ経ってから再国有化されています。 水道等と同様、鉄道も単独では儲からないインフラでしょう。道路の整備に予算を割いているうちに、英国の鉄道は古びたものになっていたようです。御多分に洩れず、新自由主義経済の失敗の具体例で、細かく分割した企業群がそれぞれ短期的な利益を目指すだけではまともな結果が伴わないです。研究開発費が雀の涙では…(以下コメ欄)2025/09/06
風見草
3
イギリスの鉄道民営化失敗の理由は、選挙目当てであまりに拙速に実行してしまい、その上民営化の制度作りに際し鉄道実務家を排除したことだという事がわかる。なかでも最大の失敗は、上下分離の下(インフラ部門)を公開株式の営利会社にしてしまったことだ(理由はコメントにて)。個人的には、日本内外の鉄道政策に通じた専門家による解説が欲しいと思った。2016/01/18
根室
0
読むのが苦痛だった 2011/11/29




