感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
adu
5
科学の世界にいながら広く想像力をふくらませ、このように豊かな文章を書くことができるのはすごいことだ。宇宙が生まれ、地球が生まれ、海が打ち寄せ、生物が呼吸をするようになる。その連綿と続いてきたリズムが、私の中にも流れているということ。それを普段感じられるかどうかで、ものの見え方も、過ごし方もだいぶ変わってくるのだろう。2012/12/14
yurari
3
ここまで感受性の豊かな学者が他にいるだろうか。生物の不思議に驚くばかり。2014/02/04
ワタナベ読書愛
2
大正14年、香川県生まれ。解剖学者。受精卵が出産に至るまでの人間や動物の様子を丁寧に、執念深く観察し、研究した。その折々の発見や考察を随筆風にまとめたもの、講演録などの形で「命」「生物の進化」などについて述べる。筆者独自のユーモアや性格を感じさせる言葉や、詩的な例えなど、読み応えがあり、難しい語彙は辞書を引きながら読んだ。赤ちゃんの心臓の奇形を研究した時、古代生物や魚類などに似ていることや、人間の胎児が進化を子宮内で体験してから出てくるなど、神の働きを感じさせる発見に驚く。命の不思議を体験できる一冊。2020/10/04
寅ちゃん
1
やはり海と生命はつながっているんだ。 2020/06/27
今日子
1
私自身は生物学や解剖学には疎いのですが、非常に興味深かったです。特に人間やその他動物の胎児の成長過程が生物の上陸の歴史と酷似していることは目から鱗でした。普段意識せずとも私たちの内には古代からの進化の歴史や母なる海への憧憬が刻み込まれているのです。2016/08/19