内容説明
耐震神話を生みだした帝国ホテルの設計者ライト。1世紀にも及ぶその生涯と仕事は謎と伝説に包まれている。ライト研究の第一人者が客観的資料を駆使し、今改めて「ライトと日本」の物語をうちたてる画期的論考。
目次
ライト神話は生きている
建築家ライトの実像
帝国ホテル流動する空間のドラマ
日本のライト
ライト建築のゆくえ
著者等紹介
谷川正己[タニガワマサミ]
1930年生まれ。大阪工業大学工学部建築学科卒業。元日本大学工学部教授。工学博士。建築歴史、建築論専攻。現在、谷川正己、フランク・ロイド・ライト研究室主宰。1998年「Frank Lloyd Wright研究に関する一連の業績」で日本建築学会賞受賞
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感想・レビュー
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ムカルナス
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日本では帝国ホテルを設計した世界的建築家として有名だが著者はライトの生涯を丹念に調べライト神話の虚実を暴いている。帝国ホテルの設計はライトが不遇の時代に自分で売り込んで受注したものらしい。そして日本のエンペラーのホテルの建築をした、地震でもびくともしなかったと上手に脚色して自叙伝を刊行し本国で宣伝。また来日時は浮世絵を安く仕入れて売却し財テクにも励む。建築家、浮世絵コレクターとして名高い反面、自分の芸術を一途に追及するだけのタイプではなかった。 ライトの人間的な側面が判り興味深い。2014/09/05