水の乳房

水の乳房

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  • サイズ B6判/ページ数 173p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784900456402
  • NDC分類 911.168
  • Cコード C0092

内容説明

恋人、結婚、女たち、男たち、セクハラ、夫婦別姓、そして、病と死を凝視したすえの新しい生命のめぐみ…。311首を収録した第二歌集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

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大田美和 短歌 わたくしをママと呼ぶのは水の音匂いも色ももたぬ抽象 ひと思いに殺すやさしさ生命産む水も凶器となる今朝の冷え 十二月の水に沈んだ乳母車犬の死骸の目があいている 薔薇抱いて湯に入ろうとしたけれどバスタブ狭く二人あふれる 祝福の雨に打たれて「屋根裏の狂女」を知らぬ君の明るさ かいつぶりくるりと水に潜るまで追いつ追われつ暮れてゆく夏2016/12/14

Cell 44

1
「チェロを抱くように抱かせてなるものかこの風琴はおのずから鳴る」「理知にすぐ傾くおまえ諍いて星雲状にもつれるシーツ」「国籍を取ればもれなく特製の毒ガスマスクがあなたのものに」「スエヒロで婿と舅が酌み交はすうまさけ美和を扱ひかねて」「夢で子に乞われるままに与えたる乳房ひやりと皿に盛られて」思った以上に良い歌集だった。夫婦別姓やフェミニズムなど〈性〉にまつわる作品に優れたものが多く目を惹くが、江田浩司の俳句とのコラボレーションや枕詞を使った実験的連作なども面白い。2021/02/16

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