内容説明
主人公のルルは１９５８年生まれのフランス人。アメリカにきて４、５年になる。ここしばらくは地方のダンスカンパニーで踊っていたが、８３年の夏またニューヨークに出てきて、ローワーイーストサイドにある友人から又貸ししてもらったアパートメントに住みはじめた。仕事を見つけるためいくつかのダンスカンパニーの面接を受けるが、どこにも採用されない。そんなときブルックリンで知りあったパーティで、ジュリアンと知りあった。彼は自暴自棄的なパンク少年で、サディストの気もあるが、ルルは彼とつきあいつづける。正規の仕事が見つからないので、ルルはブルーナイトラウンジというキャバレーでストリップダンサーとして働くようになった。ジュリアンはルルのほかにサルヴィーというアップタウンに住む富裕な中年女性ともつきあっていた。サルヴィーネはフランス人で、２０歳のころアメリカに来て金持ちの男性と結婚し、いまはその遺産で悠々自適の生活を送っている。彼女は考えをまとめるため、フランス人の話し相手を新聞広告で募集した。ルルがそれに応募し採用される。こうして、ルルとジュリアン、サルヴィーネはお互いの三角関係を知らないまま全員知りあいになった…。セックス、ドラッグ、そして隙あらば絶望にすり替ってしまう夢。ニューヨークに魅せられたアーティストたちの自意識を鮮裂に描く、最先端のニューヨーク小説。
