感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shippo
1
キルギス共和国出身の筆者、1961年の作品でレーニン文学賞受賞作。 テンシャンの凍りついた山々が、その峠を真剣な眼差しでトラックを走らせるイリヤスの姿が見えるようだ。昔に見た古いロシア映画のように。 愛は「贈り物」であり、「試練」でもある。 愛があるから人は成長出来る。このアイトマーフの言葉がそのままこの小説のテーマだろう。 せつないなぁ。イリヤスもアセーリもバイテミールも哀しみを携えながら生きて行かなければならない。ハッピーエンドでもない、アンハッピーエンドでもない結末が胸に沁みる。2012/05/04