目次
第1章 鎮墓石とは何か そのプロフィール―他の副葬品との異質性、宗教性に注目
第2章 鎮墓石の墓主人について―その簡単な紹介と葬送者の心情など
第3章 鎮墓石に刻されているもの―死者の救済、再生を祈願する呪文
第4章 鎮文を読み解いてみれば…―鎮文が展開する救済、昇仙の構図
第5章 各墓主の実際の鎮墓石と鎮文(集録)
第6章 殺された人の鎮文は変形されている―墓主固有の死の事情を映し出す
第7章 鎮墓石と黄〓斎との関連性を探る―鎮墓石の鎮文は黄〓斎儀の原型をなす
第8章 鎮墓石にひそむ崑崙山への昇仙信仰―鎮墓石と昇仙図が目ざす共通の仙界
第9章 鎮墓石蓋頂に刻された墳墓装飾の線刻画―その意味、功能を解く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
韓信
1
唐代を中心に一時期見られた、墓主の鎮魂と再生を祈念した呪術的副葬品である鎮墓石を読解する珍しい論考。現在、唐代史研究で盛んに利用されている墓誌とは異なり、出土例が少なく、呪術的な符籙文で解読が困難等の理由から、これまで研究されてこなかったらしい。中宗や玄宗の実母ら武韋の禍に関連して非業の死を遂げた貴顕の霊魂を鎮めるための呪物という推測や、崑崙山への昇仙思想と道教からの影響を、録文を起して仔細に考察している。道教の知識がない門外漢には妥当性は判らないが、遺体が損壊している場合は文句が変わる等の指摘は生々しい2020/04/05
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