感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
4
「最終都市」「低空飛行機」「死亡した宇宙飛行士」「ウエーク島へ飛ぶわが夢」「神の生と死」「地上最大のTVショー」「死ぬべき時と場所」「通信衛星の天使たち」「浜辺の惨劇」所収。何といっても本書の約3分の1を占める「最終都市」が象徴的。長篇『夢幻会社』の試作品のような印象で、バラードの次のステージの萌芽を見いだせる。あとはバラード作品おなじみの、打ち捨てられた科学技術の粋の残骸などが頻出するが、「神」を扱った小品群も興味深かった。60年代末から70年代にかけての、バラード作品のショウケースといえるだろう。2011/08/17
記憶喪失した男
3
外れた未来かなあ。死亡した宇宙飛行士が地球に落下してくる残骸を売ってるっていう未来は来なそうだね。でも、バラードはなんだかんだいって、地球にいるのに宇宙を感じさせてくれるから好きだ。
すけきよ
1
この短篇集がダメなのか、バラード自体が合わないのかわからないけど、読むのが苦痛の一歩手前レベル。続けて3冊読んだけど、どうもバラードははまらない。『夢幻会社』『ヴァーミリオン・サンズ』は確かによかったけど、それでも、積極的に読みたいと思う作家ではないんだよなぁ。ただ、サイエンスでも、スペキュレイティブでもなく、「J・G・バラード」というジャンルがあることはわかった。短篇集の後半の作品は普通っぽいだけに、このジャンル的には面白くない(笑)。かといって直球の作品は個人的にはピンと来ない。2009/05/07
渡邊利道
0
テクノロジー三部作と『無幻会社』をつなぐ短編集。冒頭の中篇「最終都市」は、ちょっとだるい作品と思っていたのだが、あらためて読み直すとバラードの作品の過渡期的な特徴をいろいろ備えていてとても興味深かった。表題作や「ウェーク島」などは本当に傑作。他のテレビものや宗教ものはどこかショートシュート・コント的な面白さがある。2017/06/11
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