内容説明
材料工学は有機・無機を問わず、特に工業先進国においては、肥大化した多量生産方式からユニークなものの開発という「摸索の時代」に移りつつあるように感じられる。このような時代でどのような知識が最も必要であるかということを考えた場合、その物質の構造と特性の関連が最も理解しやすい金属という古典的な材料の基礎を平易な形で把握し、これを出発点として困難な応用問題とも言える各種工業材料に対応できるようにしておくことであろう。本書は以上のような考えから、金属の一般的性質の基礎的な理解と、その工業材料として占める位置づけをできるだけ整理することを目的とした。今回の合本にあたっては、極力誤植を訂正することを心がけ、1987年発行の2版でも取り上げきれなかったテーマについて若干加筆した。とくに第3部最終章「新しい金属材料」については、大幅に書き改めた。
目次
第1部 金属の基礎(金属原子と結晶構造;金属および合金の状態;金属および合金の一般的性質)
第2部 鉄鋼材料(製鉄の歴史とその概略;純鉄および炭素鋼;合金鋼の基礎;実用特殊鋼各論;鋼材の表面硬化法;鋳鉄)
第3部 非鉄金属材料その他(軽金属材料;低融点重金属材料;高融点重金属材料;新しい金属材料)
著者等紹介
西川精一[ニシカワセイイチ]
1919年10月奈良に生まれる。1944年9月東京帝国大学第二工学部冶金学科卒業。1948年8月東京大学第二工学部講師。1971年6月東京大学生産技術研究所教授(金属材料学部門担当)。1980年9月定年退官。現在、東京大学名誉教授
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