少女病

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  • サイズ A6判/ページ数 125p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784899980933
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

101年前から続く“不治の病”。

著者等紹介

田山花袋[タヤマカタイ]
1871年(明治4年)、栃木県邑楽郡館林町(のち群馬県館林市)に生まれる。1891年、尾崎紅葉を訪ね、小説家を志す。同年10月、小説「瓜畑」をはじめて発表。その後、西欧文学に影響を受けながら新しい文学に開眼し、1907年、「蒲団」を発表。自然主義文学の確立者として文学界に大きな足跡を残す。代表作に「生」「妻」「縁」の三部作や「田舎教師」など。1930年(昭和5年)、没

藤牧徹也[フジマキテツヤ]
1970年(昭和45年)、京都に生まれる。京都精華大学デザイン科を卒業。在学中より写真家・柴田秋介氏に師事。独立後は書類や雑誌のほか、WEB媒体やCM、PVのスチール撮影、CD、DVDジャケットの撮影など、活躍の場は多岐にわたる。第三〇回日本写真家協会(JPS)展入賞(優秀賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青蓮

98
ずっと読みたかった花袋の「少女病」。短編です。タイトルからして妖しい匂いがしましたが、読んでみて想像通りでした。ラストも秀逸。私は女性なので、主人公は「ロリコンの、ストーカー気質の気持ち悪いオジサン」にしか見えない部分もあったけれど、でも自分も年老いた時に彼のように「若くて美しい人」にどうしようもなく惹かれて、焦がれてしまう時が来るのかなと思うとある種の切なさがあります。随所に挿入されたフォトグラフも綺麗でしたが、どうせなら作品に合わせて「少女」も和服姿だったら良かったのになぁと少し惜しい気がしました。2016/09/28

海猫

88
青空文庫で。文章は格調高く、世俗や単語の古めかしさが実に良い。が、描かれる心理がなんとも生々しく古いどころか凄まじい現代性があるのに驚く。もしかしたら現代性ではなく普遍性なのかもしれないが。今で言う少女が「可愛すぎて生きるのが辛い」というところか。辛さが最高潮に達した瞬間に訪れる衝撃のラストにはむしろカタルシスすら感じる。2014/12/06

多田幾多

39
(俺も今、少女病にかかってる。)美しい少女を見ると、ありとあらゆる妄想をしてしまう主人公。一見、ロリコンのように感じられるが、しかし主人公にはそういうものを感じられず、純粋に少女を見ているように感じる。少女にあこがれを抱く反面、自分の老いを憎み恨み、世間から疎まれている男の最期は、ある意味、至福なのかもしれない。なぜなら、美しい、また会いたいと思っていた少女を「見れた」のだから2013/08/29

にゃおんある

31
しののめめいたかおりのする少女。ほぼほぼ計算されつくしたしぐさ。作為を感じさせないように自然さを装わなくてはと考えているとしたら、男心を掴むのはたやすいことでしょう。男は誰にもおバカな一面があって、足元をすくわれかねないから、こんな悲劇に心当たりがあると思います。プロパティには理由があって書き込まれています。欠点は個性にもなり、その人の形に至るものかもしれません、窓、みたいに人のプロパティを覗こうと考えてしまったら、これはもはや現代社会の宿痾からの脱却で、むしろ己の恥部に向き合わうべきなのかなと感じました2018/06/09

miroku

25
妄想家黄昏に死す。ロリコン美文家の自嘲的文学である! 2015/05/06

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