内容説明
欠けていく月は青いインクに沈みこんでいく真珠のように見えた。頭上で、空は静かにたたずんでいる…。冷淡で野心的な母親の渡米により、少女の頃に生まれ故郷の日本、そして最愛の父親から切り離されたマヤ。四半世紀後。小さな工房で織物を作る静かな日々、マヤの静寂を尊重してくれる夫ジェフとの結婚生活。孤独でありながらも平穏な毎日を送っていたマヤのもとに、ある日、一通の手紙が届く。―父が、死んだ。突然の父の訃報が、マヤの心を激しく揺さぶった…。親子、夫婦、親友。孤独、芸術、愛。静かに、激しく、織りあげた、美しい物語。
著者等紹介
モリ,キョウコ[モリ,キョウコ][Mori,Kyoko]
1957年神戸生まれ。十代でアメリカ、ウィスコンシン州へ移住。現在はマサチューセッツ州ケンブリッジに住み、ハーヴァード大学にてクリエイティヴ・ライティングを教える。ニューヨーク・タイムズ・ベストブックに選ばれた処女作品『シズコズ ドーター』、つづく二作目『めぐみ』は、逆輸入小説として日本でも大きな反響を呼んだ
部谷真奈実[トリヤマナミ]
早稲田大学法学部卒業
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