内容説明
本書は、人類が進化の過程で獲得したことばの能力と、古代オリエントおよびギリシアで創作された文献を主テーマとした連作エッセーである。人の口から人の耳へと伝わることばの実態と、知覚イメージと結びついて脳に記憶されることばの現象から、言語の本質とは何かを考える。次いで、現実と想像のイメージが錯綜する古代の神話や物語を取り上げて、時代背景とともに作品を読み解いていく。古代、神は人類の祖と考えられて宗教や権力の象徴と化し、今でもこの思想は存続している。本書はメソポタミアやギリシアの神々は言うまでもなく、前者の流れを汲む「旧約聖書」の神に関しても随所で触れており、その神から派生した新約の「福音書」とその後の「コーラン」の成立についても論及している。
目次
第1章 ことば以前
第2章 ことばと火
第3章 壁画と文字
第4章 暦と歴史
第5章 神話と人間の物語
第6章 神話から宗教へ
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- 和書
- 徳川三国志 文春文庫