内容説明
時宗の開祖・一遍がこの地で「悟り」を得たという熊野成道。本書はこの有名な逸話の根源にあるものを探り、あわせて当時の熊野信仰が時衆によって広められていったことを示す。「熊野とはなにか」を追い求め、前作では紀の川・海神社の謎に挑んだ著者最新の書。
目次
第1章 大斎原―神仏一体の地
第2章 山中の出会い―布教の自信を失う
第3章 出会いの場所―悪四郎山頂の直下か
第4章 権現の神勅―本地は阿弥陀如来
第5章 浄不浄を嫌わず―業病者をあえて描く
第6章 なぜ熊野なのか―「死」より「再生」の地
第7章 祖父への想い―承久の乱で暗転
第8章 ひじり塚―住職が執念の発見
第9章 和泉式部伝承―よくできたPR歌
第10章 小栗判官物語―夢や願いを込める
著者等紹介
桐村英一郎[キリムラエイイチロウ]
1944年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。朝日新聞社入社後、ロンドン駐在、大阪本社、東京本社経済部長、論説副主幹などを務めた。2004年11月末の定年後、奈良県明日香村に移り住み、神戸大学客員教授として国際情勢、時事英語などを教える傍ら古代史を探究。2010年10月から三重県熊野市波田須町に住んでいる。三重県立熊野古道センター理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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