内容説明
本書のタイトル「人=間の人類学(じんかんのじんるいがく)」は、内堀の目指す人類学が何より、人間存在の根源的な成り立ちを明らかにすることに向けられており、また、その方法論として、人や「もの」のあいだの関係のありようを問うことを一貫して重視していることに因んでいる。また副題にある「内的関心」とは、個別の問題設定を方向付け、それへの接近方法を形作る、いわばメタレベルに位置する関心を意味している。「人=間の人類学」とは、この内的関心のあり方を一言でまとめたものである。
目次
第1部 死(酒に憑かれた男たち―ウガンダ・アドラ民族における酒と妖術の民族誌;死霊と共に生きる人々―ラオス・カントゥ社会における死の位相)
第2部 民族(インドネシア・ブトン等ワブラ社会の歴史語りの民族誌―巡礼、農事暦儀礼と「真実の歴史」;ポトラッチの行方―カナダ北西海岸先住民サーニッチのスィョクゥェアムと死に関する民族誌的「情報」)
第3部 関係(自己と情緒―アンガティーヤ社会におけるマァロオ(「心」)概念の素描
ボルネオ島プナンの「雷複合」の民族誌―動物と人間の近接の禁止とその関係性)
第4部 もの(バリにおける消費競争とモノの階梯的世界;トーライ社会における貨幣の教え方と払い方)
第5部 接合(取引費用の引き下げ方―モンゴル遊牧民と市場;P`an kung m^a―the Matchmaker of Tabidu:Managing Ambiguous Identity)
著者等紹介
中野麻衣子[ナカノマイコ]
1970年生まれ。松陰大学等、非常勤講師
深田淳太郎[フカダジュンタロウ]
1977年生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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