内容説明
ドイツで驚異的な数の心臓手術、心臓移植を手がけてきた外科医が、30年ぶりに日本へ戻った。そこで、目撃した日本の医療の姿は…『重症!』。「医療崩壊」あるいは「医療破壊」とまで言われている、『重症!』な日本の医療への処方箋はあるのか―。なぜ、救急患者は病院をたらい回しにされるのか!なぜ、問題のある医者が生まれるのか。更新されない医師免許の問題とは?なぜ、日本の医者は学会活動にばかり忙しいのか!なぜ、患者は専門医や病院のランキングに左右されるのか!…本書では、多くの「なぜ」という疑問を投げかけ、噴出する日本の医療の問題点と、その解決策を探る。
目次
1部 ドイツから日本へ―30年ぶりの復帰からみえてきた日本の医療とは(母国への思い、そして変わらぬ日本の医療;井の中の蛙…めぐりあったドイツの医療とは;良い病院を作れば患者は集まる―世界最大規模の心臓病センターの誕生;日本に医療にもグローバルスタンダードを!)
2部 日本の医療なぜ?(自分の病気について聞けない患者;病院で診てもらうのは一日がかり、なぜ;学会参加は世界一、でも日本の医療は?;医者になるための資格;医療は医師だけで行うものではない;疲れきった医師たち;医療過誤があとを絶たない理由;健康保険制度の改革はなぜ必要か;なぜ日本製の人口心臓は世界で通用しないのか;なぜ日本には臓器移植が定着しないのか)
3部 ドイツに学ぶ医療改革(日本が手本とした医療制度;良い医者、良い病院が生き残る制度;困難な時代を生きる医師たち;徹底した専門教育を患者中心の医療;安心・安全な医療の提供;ドイツ医療改革の重要な点l先進的な予防医学への取り組み)
4部 変わる?日本の医療 対談篇(医師に望むこと、患者に望むこと(対談者・百々秀心氏)
患者に選ばれる病院である、ということ(対談者・ジョン・C・ウォーカー氏)
心臓移植を通してみた二つの医療(対談者・江田博子氏))
著者等紹介
南和友[ミナミカズトモ]
1946年、大阪和泉市生まれ。三重県四日市高校卒業。1974年、京都府立医科大学卒業。1976年、ドイツ交換留学生(DAAD)としてデュッセルドルフ大学胸部・血管・心臓外科に留学。1977年から同大学病院で助手、講師を歴任、1984年よりバード・ユーンハウゼン心臓病センター設立にあたり主任心臓外科医をつとめる。1989年よりボッフム大学臨床教授を兼務。これまで(1989年3月~)に同センターで1300例に及ぶ心臓、肺移植を行う。2004年、ドイツの心臓外科医としては日本人初の永代教授に任命される。2005年より日本大学医学部教授外科学系心臓外科分野、同大学大学院総合科学研究科教授。“IV World Artificial Organ,Immunology and Transplantation,1997”“International Society of Rotary Blood Pumps,2003”の会長、第22回日本冠疾患学会学術集会長(2008)をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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