内容説明
挫折と苦悩の果てに風景画家の道を選び、やがて国民画家と謳われるほど多くの人々の共感を得た東山新吉(魁夷)―その心の遍歴と創造の過程を丹念にたどりながら、全生涯を鮮やかによみがえらせた決定的評伝。
目次
第1章 少年時代
第2章 青年時代
第3章 留学時代
第4章 風景画家への道
第5章 憧憬と郷愁
第6章 障壁画の世界
第7章 永遠の祈り
著者等紹介
佐々木徹[ササキトオル]
1941年大阪生まれ。関西学院大学経済学部卒業。関西学院大学文学部大学院修了。現在、追手門学院大学教授、財団法人国際日本研究所理事。哲学・比較文化論
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感想・レビュー
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keroppi
31
初めて自分で買った画集が東山魁夷だったと思う。静かで透明感があり、青の色が美しい絵に魅せられたのだ。絵は好きなのだが、その人となりはよく知らなかった。図書館でこの本が目にとまり思わず借りてしまった。絵や写真も多く、とても読みやすかった。東山さんの人生を知ると、ほんとに彼の描く絵のような人だったのだと思う。ある意味孤独で、人への心遣いに溢れた優しい人だったようだ。東山さんの原画を見たくなってきた。2017/05/08
SK
1
236*厚くて重い本のわりに、読みやすい。ただ、著者にはもっと黒子に徹して欲しかった。時々自分の意見を挟んでくるので、それが邪魔だった。孤独な少年時代。本文で触れられている作品の写真が掲載されていなかったり、白黒だったりする点は残念。日記など、本人の書いた文章がふんだんに引用されている。阪神淡路大震災の時に著者へ送られた速達には感動した。2016/09/15
きぬとら
0
来週から九州国立博物館で開催される東山魁夷展を見に行く予定なのでその予習。絵画はあまりわからないけどこの人の絵は結構好き。少年から青年期の時代を特に興味深く読んだ。2016/07/10