内容説明
オスの蚕だけからつくられる「プラチナボーイ」細く、白く、輝く、夢の生糸だ。その開発から着物づくりまで、人々の思いをたどる。
目次
第1章 糸づくり、染め、織りのつくり手たち(結城紬;大島紬;江戸小紋)
第2章 蚕がたどってきた歴史、繭ができるまで(新品種―「プラチナボーイ」の誕生;繭づくり―養蚕という仕事)
第3章 着物プロデューサ・泉二弘明の着物哲学(呉服界の革新、「銀座もとじ」が生まれるまで;生き方に惚れ込んだ。妥協や嘘のない、すべてを自身の手で行う人;つくり手から着る人へ、つなげていける小売店を目指して)
著者等紹介
長町美和子[ナガマチミワコ]
1965年横浜生まれ。武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科卒業。婦人画報社にて住宅とインテリアの雑誌編集に携わり、1997年に独立。デザインや建築、暮らしに関連する雑誌を中心に、書籍、企業誌などで執筆を行う
雨宮秀也[アメミヤヒデヤ]
1959年東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。梅田正明氏に師事後、フリーの写真家として独立。雨宮フォトオフィス主宰。広告写真から雑誌、単行本など幅広い分野で活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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バニラ風味
21
たまに着物を着るようになって、柄や生地にも興味を持つようになりました。合成繊維のカジュアルな着物が扱いやすいけれど、絹でできた本物の着物にも憧れます。小学生の夏休み。どういうわけか、クラスで飼っている蚕を預かりました。桑の葉を与え、蚕が食べる雨降るような音を聞き、その後、繭を煮て糸を取り出す体験もしました。絹の原料となる蚕の繭。それも、オスの繭だけでできるプラチナボーイ。それを巡る人々の苦労や成果に頭が下がる思いです。養蚕、織物、染色のこと、着物を着る方には特に知ってもらいたいです。2016/02/11