内容説明
原因や治療法も、教育法もほとんど解明されていない摩訶不思議な障害、「自閉症」。著者もわが子の障害をそのまま受け入れることができるようになるまで、出口の見えない道に迷い込んだような、とまどいや迷い、そして言葉にしがたい苦しみも何度も味わう。しかし、息子の存在を徐々に、ありのままに受け入れるたびに、著者は図らずもその豊かな内面世界を垣間見、自身の価値観をことごとく塗り替えられることに。俊哉君を通じてお母さんが行き着いた、「ある精神の高み」とは。
目次
プロローグ 運動会で
1 私は息子から世界を学んだ
2 俊哉と私の「居場所」を求めて
3 ふさわしい教育を求めて
4 シアトルでの発見
5 子連れコンサート奮戦記
6 小笠原の夏
7 落第家族の葛藤の日々
8 私は私を生きる
9 何の取りえもない子?
10 コミュニケーション
11 幸せってなんだろう?
エピローグ 俊哉へ―母からの遺書
著者等紹介
桐生由美子[キリュウユミコ]
1960年、熊本県生まれ。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒。住宅メーカー勤務後、専業主婦となるが、’96年頃よりエッセイ執筆を始める。’98年音楽鑑賞教育振興会主催論文・作文募集入選。’99年子ども未来財団主催子ども未来賞入選、北九州市人権啓発センター主催人権作文コンクール最優秀賞。その他、エッセイコンクールに多数入選。現在、インターネット上のメールマガジン、ニュースレターなどでエッセイを発表している。子育て、教育問題に限らず人間の内面を特異な切り口で探索することをテーマに執筆している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。