内容説明
皇族が少なく、女性天皇、女系天皇が現実味を帯びる昨今、これまでの十代八方の女性天皇の事跡を追うことは意味がある。大戦乱に身を置いてまで国を護ったが、仏教優先のまつりごとを独断専行し、皇統断絶の危機を招いてしまった女帝がいた…。
目次
プロローグ なぜいま孝謙・称徳女帝なのか
第1章 生い立ち、仏教、そして皇統
第2章 初の女性皇太子になる
第3章 橘奈良麻呂の乱
第4章 孝謙天皇と仲麻呂の時代
第5章 藤原仲麻呂の乱
第6章 吉備真備らのその後
エピローグ ミステリアスな後日談
著者等紹介
宮崎正弘[ミヤザキマサヒロ]
評論家。1946年、金沢市生まれ。早稲田大学中退。「日本学生新聞」編集長、雑誌『浪曼』企画室長を経て、貿易会社を経営。82年、『もうひとつの資源戦争』(講談社)で論壇に登場後、国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析するとともに、中国ウォッチャーの第一人者として健筆をふるう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kenitirokikuti
11
ひとまず読み終えた。著者の宮崎正弘は「時事通信社の内外情勢調査会」や「産経懇話会」(Wikipediaから)の常連講師と説明するのがベターか。ときどき紀行文が混じるのは巡回してるからだろう▲本書のポイントは何か? 表題には“高野天皇”が選ばれているが…うーん、明治3年に明治政府が大友皇子、淡路廃帝、九条廃帝を追諡した。壬申の乱と承久の乱に比べると、研究が薄い恵美押勝(藤原仲麻呂)の乱を深掘りした、という感じ▲そういえば、安倍晋三が暗殺されたのは奈良の西大寺駅ロータリーであった。2024/06/25
ふたば
9
道鏡との関係を面白おかしく取りざたされながらも、天皇としての存在感を見せつける女性とみていた。時の天皇と最大権力者の娘との間に生まれ、様々な思惑とおぜん立ての末に、立太子を経て即位したなるべくしてなった女帝。その実績が実際どの程度のモノであったのかを推し量ることは難しい。古代の朝廷に関して自分が知っていることの多くが室町時代以降に姦しく取りざたされるようになったことであるから。この女帝と道鏡との逸話のほとんどが数百年の後に出来たものだということ少々驚いた。2024/07/09
みほ
1
「女性天皇」を掲げたタイトルで人の興味を引くが内容は孝謙・称徳天皇の生きた時代、という感じで藤原仲麻呂や吉備真備が中心か。著者は学者ではなく評論家とのこと、私程度の知識でも十分理解でき楽しく読めました。が、系図がもうちょっとあればと思いました。(私は他の本の系図を横に置いて読みました…。)吉備真備のイメージがガラッと変わりました。2024/07/21