内容説明
現代中国人は漢文が読めないので、19世紀までの「中国王朝」の歴史はまったく知らない。本書は、中国史上非常に有明な五人の皇帝の生涯を中心に語りながら、中国人も知らない「中国」を描ききった出色の中国論。
目次
第1章 前漢の武帝―皇帝とともに生まれた「中国」(「まず皇帝ありき」が中国の歴史だ;中国の「皇帝」とは何か ほか)
第2章 唐の太宗李世民―非中国人を皇帝に迎えた「第二の中国」(鮮卑出身の皇帝の出現;華北大争乱の中で浸透した遊牧民族 ほか)
第3章 元の世祖フビライ・ハーン―モンゴル帝国が支配した元朝(モンゴル帝国と元朝は同一ではない;モンゴル帝国登場に至る背景 ほか)
第4章 明の太祖洪武帝朱元璋―貧民出身の皇帝が建てた最後の漢人王朝(宗教秘密結社出身の異端の皇帝;フビライ死後、元朝帝室を揺るがす内争 ほか)
第5章 清の聖祖康煕帝―満洲人の征服王朝「清帝国」(康煕帝の人品を伝えた第一級史料;なぜ清朝は中国王朝ではなかったか ほか)
著者等紹介
岡田英弘[オカダヒデヒロ]
1931年、東京生まれ。専攻は中国史、満洲史、モンゴル史、日本古代史。1953年、東京大学文学部東洋史学科卒業。1957年、『満文老档』の研究により日本学士院賞を受賞。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授を経て、東京外国語大学名誉教授。モンゴル史・満洲史を出発点に、中国史、日本史をはじめ世界の歴史を巨視的な視点から考察した独創性は国内にとどまらず海外からも高い評価を得ている。2017年5月25日、満86歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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