内容説明
不沈戦艦大和が沈む！少年兵が見た戦艦大和の最後は、すべての終わりを告げていた！お前は生きろ！上官は決して犬死を強要しなかった。少年兵が見た涙でにじむ戦艦大和の最後。吉田満『戦艦大和ノ最期』の嘘。
目次
音楽好きの軍国少年
海軍志願兵
大和乗艦
永訣の朝
女神微笑まず
撃沈、四時間の漂流
重油の海からの生還
本土決戦隊へ
ヒロシマの閃光
呉警備隊で聞いた玉音放送
再生のきっかけ
大和探し
真相を求めて
語り部として
著者等紹介
八杉康夫［ヤスギヤスオ］
１９２７年、広島県福山市生まれ。１９４３年、１５歳で海軍入隊。１９４５年、戦艦大和の乗組員になり、同年４月、沖縄特攻で撃沈されるも生還。敗戦まで本土決戦用の陸戦隊員として訓練中、原爆投下で救援活動に行き、被爆者となる。１９５５年から戦艦大和探索の資料集めに奔走。１９８０年、第１次大和捜索、１９８５年、第４次捜索で海底の大和に再会。ＮＨＫと全貌を映像化。語り部として講演を続ける。調律事務所、弦楽器工房経営（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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馨
22
良書でした！大和の水上特攻に参加された八杉氏による大和特攻の真実がかなり詳しく語られています。有名な文献が実はフィクションであったことはびっくりです。そちらでの知識として信じている人多いと思います。 あと、海軍での訓練（ハンモックを１分でたたむ等）や教練がいざという時の避難時やピンチの時に役立つ訓練であったことも凄いと思います。あの厳しい訓練は全て規律を正すだけでなく戦いにてちゃんと意味があることだとわかります。 川崎高射長、保本少尉等上官の方々の生き様も凄いです。勇ましく立派な日本男児です。2015/06/21
donboo
10
作者は17歳の時に大和乗艦 沖縄特攻へ。八杉康夫さんを知ったのはつい最近のこと。歴史の語り部として これまで語られてきた一部を間違いだと語っている。 子供の頃プラモデルで戦艦大和や武蔵など多くの戦艦を作って風呂に浮かべて遊んだ。子供ながらに無敵 カッコイイと単純だったと苦笑する。 全長263m 幅38・9m 主砲は1.5トン砲弾の到達距離42km 建造費は現在の金額で約3800億円 建造期間4年。 2015/10/18
お昼寝ニャンコ
5
とても読みやすく書かれており、当時１７歳だった著者の鮮明な記憶に驚かされる。大和が最期の沖縄特攻に出撃する直前から沈没する迄、そして沈没後救助される迄が事細かに書かれている。吉田満氏の『戦艦大和ノ最期』がフィクションだった事に驚いた。実際の生存者が語る生々しい証言は今こそ私達が知っておかなければいけないと思う。正しい歴史を知り、これからの平和について自分の頭で考える事が大切だと著者は述べている。海軍で『死ね』と言われた事はない、お前は生きろと言われたと。いつか再び、呉の大和ミュージアムを訪れてみたい。2016/03/16
氷菓子
3
大和撃沈から救出されるまでの部分が、もし自分だったら耐え抜くことができないだろうと思って読んだ。空からふりかかる金属片。寒いのに襲ってくる経験したことのないほど激しい睡魔。救助船から降ろされたロープの奪い合い。生き延びるのも大変だけど、周りを激励しながら自分は助かる権利を放棄して逆向きに泳いでいった上官のような選択もできないと思う。このような歴史を知らない若者が増えている事を残念だという著者。すさまじい体験から生還した人々に残念だと思わせてしまう私たちの不勉強を恥ずかしいと思った。2019/05/17
みゆみゆ
3
書かれた時の作者の年代のせいもあるが、文章が読みやすくスムーズに読めました。 戦艦大和が爆撃によって、傾斜がつき沈みかけた時に海水を浸水させて均衡をとろうとしたこと、またそれによって逃げることもできない人もいた事実に驚きました。 同時に大砲も発射されなかったとは大変驚きました。 八杉さんは、広島で二次被爆したとのこと。私の想像以上の辛さと思います。 昔 呉の大和ミュージアムへ行来ましたが、もう一度もう少し大和について学んで訪れたいです。2015/10/10
