内容説明
最初は「高圧送電線の近くに住むとガンになる」、つづいて「携帯電話を使いすぎるとガンになる」、その理由は送電線や携帯電話から出る電磁波だ、というのである。それにもかかわらず、具体的な情報をもとうとしないまま怖がっているといっても過言ではない。はたして、携帯電話の電波のような微弱な電磁波が、ガンをよぶ“見えない恐怖”となっているのだろうか。伝えられている電磁波の影響とは、いったい何を示していて、どう対処する必要があるのだろうか。電磁波問題の歴史と電磁波影響の研究を具体的に追うことで、改めて「電磁波問題」の正体を検証する。
目次
第1章 電磁波はガンを発生させるのか
第2章 電磁波問題はどう究明されてきたか
第3章 そもそも電磁波とは何か
第4章 どんな電磁波を問題としているのか
第5章 「有害説」研究を検証する
第6章 カロリンスカ論文は何を示唆するか
第7章 「有害説」が実証される条件
第8章 RAPIDプログラムの実験報告
終章 正しく知ることとは何か
著者等紹介
大朏博善[オオツキヒロヨシ]
的確かつ公正な解説で知られる科学ジャーナリスト。1945年東京都生まれ。早稲田大学理工学部在学中から雑誌記者となり、科学雑誌のスタッフライターを経て、現在生命科学系のテーマを中心に執筆活動中。同時に、テレビ番組のプロデューサーとして科学番組の制作も行っている。日本科学技術ジャーナリスト会議会員
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