内容説明
目の前に立った裕次郎の姿は、目のくらむほど清潔だった。それは育ちの良い青年という樹木が発する新鮮な光彩でもあった。俺に、心遣いや謙虚さこそ人の心を揺すぶる、と思わせたのは石原裕次郎だった―俺の黒船で、俺の先生で、俺を夢中にさせるあにきを命懸けで守ろうと思った。裕次郎の用心棒、その呼び名は何よりも誇らしい肩書きだった―。裕次郎に愛され、その全盛時代を共に過ごした男の回顧録。
目次
第1章 伝説の始まり
第2章 石原慎太郎、芥川賞受賞
第3章 映画『嵐を呼ぶ男』封切り
第4章 建築写真文庫『ナイトクラブ』
第5章 裕次郎との出逢い
第6章 『平凡』臨時増刊『あなたの裕次郎』発売
第7章 立教大学相撲部にて
第8章 裕次郎スキー場にて骨折
第9章 裕次郎の用心棒
第10章 裕次郎との黄金の日々
第11章 外国旅行の思い出
最終章 裕次郎との別れ
著者等紹介
百瀬博教[モモセヒロミチ]
昭和15年2月20日、東京柳橋生まれ。作家、詩人。侠客の家に生まれ、19歳のころより伝説のナイトクラブ「ニュー・ラテン・クォーター」にて用心棒をつとめる。その後、石原裕次郎の知遇を得てボディガードに。28歳の時に拳銃不法所持で秋田刑務所に下獄し、6年を過ごす。出獄後、『詩集絹半纏』を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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