内容説明
伝説のクロサワ論、完結!大胆にして精緻。作品に描かれた女性像から見たもう一人の黒澤明。発表時、本人も熱心に読んだという伝説の書に、高峰秀子を“少女”の原点に置く「デコという少女」等を加え、待望の完本化!
目次
第1部 少年篇(結婚記念日の謎;“少女”の祈り;“少年”の初恋;聖母の理想;ピーター・パンの性 ほか)
第2部 巨人篇(青いニセ老人;蜘蛛女のキス;どん底からの脱出;栄光への脱出;“善魔”の誕生 ほか)
著者等紹介
尾形敏朗[オガタトシロウ]
映画評論家。1955年、愛媛県大洲市に生まれる。早稲田大学教育学部卒業後(株)博報堂入社。主にCMプランナーとして勤務のかたわら日本映画を中心に評論活動。定年退職後はフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoyogi kazuo
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当時16歳のアイドル、デコこと高峰秀子こそが黒澤映画のミューズであったとの著者の見解は、もはや日本映画史の通説ではあるが、改めてまとまった形で読めたのはよかった。あの名作もこの傑作もデコとの恋愛体験が隠されている。黒澤本人は当時の連載記事を読んでデタラメだと激怒していたらしいが、図星であった故であろう。2023/05/06
Yuichiro Nakatsuka
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黒澤明の作品とその人となりを、彼が描いた女性像から紐解く本作は、三十年前に刊行されたものに新たな章を加えた増補改訂版である。前作発表当時貪るように読んだが、今回もまた耽読した。渉猟しえた限りの資料を、高い見識で緻密に洞察した論評は、黒澤に対する敬愛に満ちたもので、あらためて感銘を受けた。かつて映画少年だった著者もまた、〈少年〉から〈巨人〉へ至ったのだ。2022/11/10
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