感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
23
デパートの古本市で見つけました。安部慎さんは、『美代子阿佐ヶ谷気分』しか読んだ記憶がないのでこうして2000年に復刻してくれた出版社には感謝します。本人よるあとがきによると32歳の頃から分裂病にかかり(随分と遅いですね)49歳(2000年当時)の現在まで6回入退院を繰り返したそう。奥様の美代子さんは今でも一緒で3人の子供と元気に暮らしていると有ります。独特の絵柄は今にしてみるとナベゾ(渡辺和博)と赤瀬川原平さんをごちゃまぜにした様に思った。もちろんガロ出身ですから、つげさんと林静一さんは言うまでも無い。2023/04/29
gtn
23
著者と美代子氏の屈託と刹那主義の世界。その美代子氏が妻として未だ著者の傍にいることに淫靡さを感じる。2021/07/04
アズル
16
古本まつりにて購入。以前、青林堂の原本を7千円で見かけて、手の届かない一冊だと思っていました。初めて読みましたが、なんというか…。いろんな軸がズレて支離滅裂になっている印象を受けました。一言でいうと、コワイ。すべてをひっくるめて、「ガロ」であることを実感しました。2018/04/22
しゅん
12
昔だったら「こういう絵は好きじゃないし話も辛気臭くてよくわからん」で終わっていたと思う。今は、終わらないぬかるみを歩くような現実の重さを描いているのに(実話だし)、どこか軽やかさを感じるのが心地よく、ふっと自分の懐に忍び込んできた。好きである。安部慎一は、スパルタローカルズというバンドにいた安部兄弟の父として知った。それが20年前。それまでずっと存在は知ってて、でも読まなかった。作品を知らない作家を20年間知り続けていることを思うと不思議だった。漫画の中身とは関係ありませんが・・・2022/02/19
ふじ
5
うーん、シュールすぎてさっぱりわからんなあ。でも後書きの文章とか、やっぱり只者ではない感がある。「美代子は現在四十八歳である。すこぶる活発に仕事をしている。SEXももう無い。三人の子供達も元気に育っている。人に頼りきる様になって私は愛を失ったのである。」この微妙に支離滅裂なようで分かるような何とも言えない感じがかっこいいな。漫画は何かこう、70年代の魚喃キリコ、って感じもある。眼の描き方や全体のデッサンの崩れにときどき狂気を感じた。2014/09/16
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- 和書
- しゃぼんだマリリン参上