出版社内容情報
愛し方も
死に方も、
私のもの。
美しく残酷な運命の恋物語が、
時代を超えて、
私たちの心を強く揺さぶる。
江戸時代、元禄期の大坂で実際に起きた心中事件をもとに近松門左衛門が書いた“心中もの”の傑作を、直木賞作家・角田光代が遊女「初」の視点で現代に蘇らせた!
あらがい難き究極の恋の、
高揚、悦び、懊悩、切迫……
近松門左衛門の原作の世界を踏襲しながら、
あらゆる感情を細やかな心理描写で描き切り、
新た
【目次】
内容説明
あらがい難き究極の恋の、高揚、悦び、懊悩、切迫…近松門左衛門の原作の世界を踏襲しながら、あらゆる感情を細やかな心理描写で描き切り、新たな物語として昇華させた、角田光代による小説『曾根崎心中』。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
69
遊女「初」が恋を知る。清くて健気で、愚かで醜い。遊女の日常のおかしみや物悲しさが胸に迫る。これを読んだら、お嬢ちゃんの初恋の物語なぞ甘ったるいだけの本はもう読めない。蝉が空を知ってからの短い世界を必死で生きているかのようだ。美しく鬼気迫る言葉は皮膚から沁みてくる。圧倒された。2026/01/20
buuupuuu
22
心中が、不幸の果てではなく、生の意味の完成や、純粋性の極致として描かれているように思える。社会や世間とは、基本的に、悪意のある関係に溢れていて、善意がある場合でも、生の意味を損ない、純粋性を汚すようなものであるように見える。心中こそが、その腐食から二人の関係を守り、現在の瞬間を絶対化する行為なのだ。だが、そのように生きようとしても、初の先輩たちは皆裏切られ、恋に破れていく。それと比べると、初と徳兵衛の心中が成就したことは、ほぼ僥倖に近い。最後の場面は、意味の充溢の強烈な体験として感じられる。2026/02/08
kuma
16
来月公演の文楽の演目のあらすじを知りたくて読んでみました。近松門左衛門の「曾根崎心中」を角田光代さんが翻案されたものでとても読みやすかった。心中に至るまでの背景や主人公・初の心情が丁寧に描かれていて分かりやすかった。これで来月の文楽は楽しめそう。また今まで手が出せなかった古典文学にも挑戦してみようか…と思いました。2026/02/25
JADE
15
遊女の初と醤油屋の手代の徳兵衛。燃えるような恋、命がけの恋、いろんな形容詞はあるけれど、恋とはこれほどまでに激しいものなのか。「知らなければよかったことだった。けれど、知らないまま年老いて死んでいたらと思うと、ぞっとすることでもあった。恋とは。」初の目線で物語は進むけれど、女性の角田さんが描く恋はすごく熱くて美しい。そして男目線で見ればとても強い。結末はタイトル通りだし短い物語だったけど、とても濃厚な読書だった。原作は未読だが、角田さんのアレンジが絶妙なのではと思わせられた。いつか確かめてみたい。☆42026/03/27
たっきー
12
角田光代氏による現代語訳というので興味をもち、初めて『曾根崎心中』に挑戦。読みやすく、すんなり物語に入り込めた。悲しい結末については、人生の選択肢が少なく、そこから外れると心中せざるを得ない時代だったんだろうなと思いながら読んだ。2026/01/31




