目次
望遠鏡の詩
夢やうつつ
きみはかわいい
図書館の詩
ライブハウスの詩
ぼくの装置
絆未満の関係性について
まくらの詩
線香の詩
恋文〔ほか〕
著者等紹介
最果タヒ[サイハテタヒ]
詩人・小説家。1986年、神戸市生まれ。第44回現代詩手帖賞、第13回中原中也賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
132
ブックカフェで詩人・小説家の最果タヒさんの特集コーナーがあり、以前から表紙やタイトルや著者名を見て気になっていたので読んでみました。とても繊細で息が苦しくなり、心の中を包み隠さず吐き出したような詩の数々。若い世代の孤独な感じや死を近くに感じている感情など、静かに淡々と語られているのにとても鋭く迫りくる感覚。タヒさんは各誌以外にも自身のウェブサイトやTwitter、アプリなどで詩を発表されています。現代詩手帖賞、中原中也賞受賞。私にはあまり入ってこないのもありますが『夢うつつ』『冬の長い線』良かったです。2015/03/15
masa@レビューお休み中
96
刹那的で空漠としていて、どこか別の世界の出来事のような最果タヒの詩の数々。存在し得ないはずの世界に気がつくと、僕は佇んでいる。タヒの世界の渦中の人となるのだ。愛に絶望しているようで愛を満喫し、死に魅せられているようで死を当たり前のこととして受け入れている。極端なまでに淘汰された友情も恋愛も生死も胸を突き刺すような痛みを伴う。もしかしたら、この世界を求めていたのだろうか。痛くて立ち直れなさそうになる。それでも貪るように読んでしまう。もはや中毒患者にちがいない。2017/10/05
めろんラブ
86
切れ味の良いカミソリをすーっと手首に滑らせて、ぷつぷつと湧き出る血を言葉に変えてみせたような詩集でした。その痛々しさは、「死んでしまう系のぼくら」が今まさに生きているという証。生の刹那を透徹した目で切り取っています。密やかな言葉の連なりが、呼吸と同等の切実さを帯びて迫って来るように感じられました。2016/08/02
江藤 はるは
60
生きるということは木々も水も火も同じことだと気付いたよ2020/01/05
☆よいこ
58
詩集。時には期待し時には絶望し生きていくことの寂しさや苦しさを、ぴりぴりとした言葉で紡いでいく。詩集といえば古典のような大御所が図書館で埃をかぶっている中、新しい現代詩は愛を叫んだりいじめのつらさを嘆いたりの印象だったけど。「私の言葉なんて、知らなくていいから、あなたの言葉があなたの中にあることを、知ってほしかった」とても心に響いた。▽それぞれの詩のワンフレーズがいい「恋がぼくを殺しにきました」「私には、人を好きになる内臓がついてないって、言われたことがあるんだ」「死ぬことで証明できる愛なんて、一瞬です」2018/08/30