内容説明
アーティスト集団、ダムタイプのリーダー的存在だった古橋悌二の遺稿、書簡、発言集。HIV/エイズと共に生き、35歳の若さで亡くなった最晩年までの記録―メモランダム―。
目次
01 notes
02 letters
03 interviews
04 works
05 after talk
06 texts 1
07 texts 2
08 biography
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アマニョッキ
41
須山奈津希さんの「memorandum」を読む前に古橋さんの「memorandum」を引っ張り出す。先日読んだ朝吹真理子さんの「TIMELESS」でもこの作品のことが触れられていてうれしくなったのもきっかけ。手紙だったりインタビューだったりportraitだったり。まさにメモランダム。涙を誘おうとしているわけではなく、心情の吐露。古橋梯二という生き方。こういう本は手元にあるだけで勇気になる。2019/07/12
しゅん
11
古橋さん、書き言葉よりインタビューの話し言葉が魅力的。浅田彰がエモーショナルを前に出した評論を書いている。2020/01/07
rou
7
年末、ダムタイプ名義の「TIME TIME」を見たため、読んでみた。ダムタイプの古橋は、人間とは何か、従来の演劇とは全く違うアジテーションを通して作品を作り続けた。冒頭にある通り、それは知ではなく文字通り「血」を通しての表現であり、だからこそ作品自体に死と性・生の境界が創出されている。要は生半可ない作品群を、自身の生命を感知するために再び見たい、と思った。本作は、それを裏付ける言葉の数々。また時々、手に取りたい。2025/01/01
hiratax
3
80年代から90年代はじめにとって、サブカルチャーの出版メディアがエイズをさかんにとりあげていたけど、著者は、HIV感染の当事者であり命を落としているが、悲壮感というより、新たな人間拡張の可能性へ視線を向けているよう。この本、図書館で借りたんだが、ある図書館が除籍で放出し、それを別の図書館が拾い上げていた。これもナイス。2017/03/09
ひろ
3
涙を誘いたいわけじゃない。憐れんで欲しいわけじゃない。みたいな内容がずしりときた。こういうのは時間をかけてゆっくり読むべきなんだろうな。図書館で読むには時間が足りない。2013/07/30